記事は、日本には温泉で病気を治療する文化があると紹介し、「唐代のころ、日本は多くの使者を唐に派遣して漢方薬の知識を学ばせた。これらの使者が帰国した後に“温泉療法”を発明した」と主張。そういった背景から、「もし水着を着て温泉に入れば、温泉の中の人体に有益なミネラルが水着に吸着されてしまい、しっかりと肌に吸収されないため、治療効果が大きく下がってしまう」、そして「衣服の化学繊維は温泉成分と化学反応を起こしやすい」という理由で、裸で温泉に入ることが日本人の文化的習慣になったのだと説明した。
日本温泉協会のホームページによると、温泉は人類の歴史以前から湧いていたものであり、日本最古の文献とされている「古事記」や「日本書紀」にも温泉の記述が見られる。鎌倉時代には武士や高僧などが湯治したという記録が残されており、江戸時代に入ると農民や町民など一般庶民も湯治のため温泉を利用していたそうだ。中国メディアの「遣唐使が温泉療法を発明した」説の真偽はさておき、湯治効果を高めるため裸で温泉につかる習慣ができた、という論は理にかなっているようにも思われる。
しかし、その一方で、日本でも古くから身体を隠す目的で「湯あみ着(湯浴み着、湯着)」が用いられていたことが分かっている。「湯あみ着」販売サイトの温泉百貨店によると、奈良時代初めの「出雲国風土記」に、「内衣(ないえ)=湯帷子(ゆかたびら)」を着用した記述があり、その流れをくむ「湯あみ着」が現在でも利用されているという。
温泉は裸で入るもの、というイメージが強い日本だが、手術痕や宗教的理由など、さまざまな理由から肌を見せるのが難しい場合があるのも確かだ。より多くの人が日本の温泉を満喫できるよう、今後、「裸の付き合い」の文化と共存して、「湯あみ着」の利用も広まっていくのではないだろうか。
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