記事は、日本と中国は海を隔てた隣国どうしであり、文化的に非常に長い交流の歴史を持つと紹介。深い関わりを示す代表的な事例が、日本における漢詩の浸透であり、日本の学校教科書にも少なからず杜甫、李白、白居易といった人物の漢詩が掲載されていると紹介した。
そのうえで、杜甫や李白のような超有名人ではない張継という人物の作品である「楓橋夜泊」が、日本で長きにわたり深く愛されていることを指摘するとともに、その理由について3つの点から考察している。
1点めは、故郷に対する淡い恋慕という感情的の基礎的な部分が日本と中国で共通しているとした。「楓橋夜泊」では、試験に失敗した挫折感と故郷に帰りたいという思いが入り混じり眠れぬ夜を過ごす中で、寒山寺の鐘の音が鳴るのを聞いたという情景が描かれているとしたうえで、日本人にも中国人同様に家や故郷に対する深い思い入れがあり、特にこの詩に対して共感を覚える部分が強いのだと解説した。
2点めは、静けさを打ち破る音の余韻を味わう美意識を挙げた。「古池や蛙飛び込む水の音」という俳句に代表されるように、日本人には静けさを破る音によって、その静けさを一層味わう感覚を持っており、月夜の静寂を打ち破る寒山寺の鐘の音は、まさに日本人の心に響くものだったとしている。
そして、3点めは、月に対して日本人がほの暗く美しい哀愁を感じる点を挙げた。「月が落ちる」という言葉で自らの物憂げな心情を表現しようとした作者の感覚に、日本人が大きな共感を覚えることも、この詩が日本で広く親しまれる要因の1つになっていると伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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