記事はまず、『夏目友人帳』のアニメや映画が中国でも好評を博していることを紹介。また、『成狸合戦ぽんぽこ』、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』などのジブリ作品をはじめ、芥川龍之介の小説、鳥山石燕の浮世絵、柳田国男の著作、歴史書『古事記』、仏教説話集『日本霊異記』に至るまで、妖怪が欠かすことのできない存在として登場していると伝えた。
記事は、「日本文化において妖怪は、いてもいなくてもいい怪しげな存在などではなく、伝統文化と民間の生活に息づいた存在だ」と指摘し、本居宣長の『古事記伝』にあるように、日本には「八百万の神」の思想があると紹介。さらに、1960年代以降の日本でも、妖怪・怪獣・変身などのブームが何度も起こり、学校の怪談や陰陽師が一世を風靡したことに言及して、「日本での『妖怪』人気の高さを見て取ることができる」と分析した。
「古来、なぜ日本人はこれほど妖怪に熱中してきたのか?」。この疑問に対して記事は、「日本の自然環境と社会環境に密接なかかわりがある」と指摘。日本が島国であり、国土の大部分が山地であることから、「そういった土地を頻繁に往来する中で、各種のふしぎな話が伝わっていったことは自然に理解できる」と述べた。また記事は、日本には昔からアニミズムの気風があることにも言及し、明治時代に国教とされた「神道」の考え方では、妖怪の存在が許容されることにもふれた。
江戸時代後期に安政の大地震が起こったとき、人々の間では、地下の大鯰(なまず)が動いたせいだという説が飛び交ったとされる。地震などの災害をはじめ、生きる中で出会うさまざまな物事を解釈し、不安を和らげるためにも、妖怪の存在は一役買っていたのだろう。科学が発達した現代に至っても妖怪人気が衰えないのは、今も日本人の中に「ふしぎなもの」に対する畏敬の念が息づいているからかもしれない。
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