中国メディア・海外網は22日、中国で有機農業の普及に尽力するも行き詰まっていた日本人男性を、中国で急発展を遂げたECが救ったとする記事を掲載した。

 記事が紹介したのは、73歳の川崎広人さん。
記事は、岩手の農協研究院だった川崎さんが青島農業大学合作社学院で技術顧問を担当するなど中国と深いかかわりを持っており、2006年の定年退職後に中国各地を視察を行ったところ農村で農薬や化学肥料が濫用されているのを発見したと紹介。「クリーンで無害な農作物を作ってもらいたい」との一心から、13年より各地で堆肥作りの指導を行ってきたものの、現地での反応はいま一つだったと伝えた。

 そして、14年1月に河南省で循環農業を模索しながら利益を出せずに悩んでいた女性と知り合い、現地で堆肥による農業を普及させることを決意、1年あまりで多くの作物を収穫したものの、販路が見いだせずに支出がかさみ、協力してくれる農家に報酬を支払えず、農機まで抵当に入れざるを得なくなってしまったとした。

 さらに、15年11月には大雪によりビニールハウスと堆肥倉庫が崩壊し、農場経営は瀕死の状態に。川崎さんは、当時すでに20万人あまりものフォロワーを持っていた自身の微博(ウェイボー)アカウントで状況を報告すると、多くのネットユーザーが「タオバオで店を出し、農作物を売ってみては」とのアドバイスを寄せたという。

 そこで、タオバオに出店してみたところ、わずか数日の間に数万元の注文が入って経営危機が一気に解消され、その後ネットショップが急速に拡大し、自家作物だけでなく地場の農産品も一緒に売るようになった。今では循環農業のモデル基地となっており、数日おきに各地から視察者がやってくるとのことだ。

 記事は、川崎さんが「タオバオがなければ農場は閉鎖に追い込まれていた」と片言の中国語で運営会社であるアリババに感謝を示したと伝えるとともに、今年は堆肥による栽培研修会を開き、現地の多くの農家と交流を行っていると紹介している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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