日本の景色や文化を楽しむ中国人旅行者にとって、日本で頭を悩まるのが「大きな声で話せないこと」だという。日本人は小声で話すので、大声で話す習慣の中国人にはなかなか慣れないようだ。
しかし、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本人は小声で話すというのは中国人にとって常識になっているが、実は思い違いだとする記事を掲載した。

 記事はまず、日本人の話し声が小さい理由として中国では「他人に迷惑をかけないためのマナーで、民度の高さを示している」と一般に言われていると紹介。しかし記事は、理由はこれだけではないとの見方を示している。

 もっとも、日本人が他人に迷惑をかけるのを嫌うのは事実だ。記事は、若者が優先席に座らないことや、エスカレータで片側に寄ることなど、日本に定着しているマナーは多く、いずれも他人に迷惑をかけないことが根底にあると紹介。話し声が小さいのも他人に迷惑をかけないためで、他の人の休息を妨げないために小声で話していると論じた。

 しかし記事は、ほかにも理由があると主張。それは、「上から下まで前へ進み続ける民族であること」だという。そのため何事も効率が良く、経済成長が始まった1960年代からは「物事に没頭してあまり話をしない」ことが求められ、これが生活に浸透していったのだと主張、それゆえ話をする際には「こそこそ」と話をする癖がついたのではないかと考察した。

 理由はいずれにしても、記事は「日本人の話し声が小さいとは言い切れない」と、そもそも本来の日本人は小声ではないと主張。日中のうっぷんを晴らすかのように、居酒屋などでは大声で話す人が多く、酔っぱらって騒ぐ人もいるので、「これが本当の日本人」だとしている。

 記事の中国人筆者は、大きな声で話すのが本来の日本人だと言いたかったのかもしれないが、より正確に言えば、日本人は時と場所によって声量をコントロールしていると言えるのではないだろうか。
いずれにせよ、中国からの旅行者には、電車など必要な場所では声量をコントロールしながら、気持ちの良い旅をしてもらいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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