中国を含め、今や多くの国で進んでいる「電線の地中化」。ただ、日本に旅行を訪れた中国人の多くが日本には意外と電信柱が多いことを不思議に思うようだ。
古びた木製の電信柱や、所狭しと張り巡らされた電線を見ると、「日本は先進国なのに、なぜあまり電線の地中化が進んでいないのか」と感じるようだ。中国メディア梵汐的旅行捜羅はその理由を説明し、「日本は中国の多くの都市と異なり都市計画の歴史も長い。さらに、日本は災害の多いためいろいろなリスクを慎重に考慮して進めているため」と説明している。

 たしかに、日本は地震や台風などといった災害が多い地域であり、ひとたび地震で地面に亀裂が入った場合、電気やガスに及ぶ被害は甚大になる。電信柱を埋設すると、電信柱に比べて被害を確認、修理するための手間が膨大になる可能性が高くなる。

 さらに、東京は人口密度が高く、都市計画の歴史も長く、電線や電信柱はち密に設置されている。それらをすべて埋設するためには膨大な手間と時間がかかるのだ。さらに、商業都市である東京で、万一電線工事のために停電やネット回線に問題が生じた場合、経済的な損失にもつながりかねない。都市の景観も大切だが、スピードの速い都市での生活を工事のために止めることができないため、と中国メディアは説明している。

 こうした記事に、ネットでは「アメリカのような先進国でも電信柱を使っている。それぞれの国の歴史や気候に適した状態があるのではないか」とのコメントが見られた。また「先進国は時代遅れのものが好きだからではないか」とのユニークなコメントも見られた。


 私たちにしてみれば「なぜ電線がそれほど新鮮に感じるのか?」とも感じる。おそらく、中国の多くの都市は短期間の間に急速に発展したため、都市の景観が日本とは違うためそのように不思議に感じるのだろう。日本人にはありふれた光景でも、観光で訪れた中国人の中には電線を見ても新鮮に感じるのかもしれない。「雑多な中に秩序のある日本」、中国人にとって日本はそんな風に見えているのかもしれない。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)


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