20204月9日、中国の発射したロケット「長征3B」は、打ち上げてから数十秒後に爆発して落下した。中国は3月16日にも「長征7号」の打ち上げに失敗しており、1カ月以内に2度も失敗したことになる。
中国メディアの今日頭条は21日、「中国の科学研究能力はどうしてこうもだめなのか」と題する記事を掲載した。

 中国の宇宙開発にかける意気込みは大きい。19年の1年間だけでも、100本以上のロケットを発射したと報じられているほどだが、記事は「1カ月で2度も失敗するとは、中国の宇宙開発能力や科学技術能力に疑問を抱かざるを得ない」と失望をあらわにしている。

 では、中国の科学技術の将来は暗いのだろうか。記事はこの点、「ノーベル賞受賞数の多い日本」と比較している。日本は近年、毎年のようにノーベル賞を受賞していることで、中国から羨望の眼差しで見られている。

 日本人のノーベル賞受賞者が多い理由について記事は、日本は日中戦争時に中国から「大量の財産を奪った」ので、日本の科学者は研究に打ち込めたと主張。「今のノーベル賞はそのころの研究の成果だ」ととんちんかんな主張を展開している。また、戦後も米国のサポートがあったので科学研究に打ち込むことができたとしている。

 一方の中国は、本格的に科学技術の研究に投資してきたのが2000年頃であるため、この先次々とノーベル賞を受賞するようになる可能性があると記事は主張。昨年は特許申請数で中国は米国を超えて世界一になったと紹介し、この先ノーベル賞受賞数で日本を超えるようになる日も近いかもしれないと希望的観測を伝えている。

 筆者は、ロケットの失敗やノーベル賞の受賞数のように、結果にこだわっているが、それに同意しない人もいるようだ。
記事に対して、「たいした給料をもらっていない宇宙開発の関係者を責めるな」、「ノーベル賞はお金では買えない」、「なぜどうしても日本を超えようとするのか」など、批判的な意見が多く寄せられた。目に見える結果が欲しい気持ちは分かるが、本当に科学面での実力を付けたいなら、急がば回れで基礎研究をじっくりと行うべきではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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