中国のポータルサイト・百度に15日、日本には50年ほど前に捨て去られた「廃墟の町」があるとする記事が掲載された。

 記事が紹介する「廃墟の町」とは、栃木県にあった足尾銅山の関係者が居住していた地域だ。
記事は、東京から車で4、5時間ほどの場所に「世の人びとから忘れ去られた小さな町」があり、日本人ですらその存在を知っている人は今や少なくなったと伝えている。

 そして、足尾銅山について日本の歴史の中で多くの貢献を果たしてきたとした上でその経歴を紹介。17世紀に徳川幕府が大規模な採掘を始め、ピーク時には日本の3分の1の銅鉱石が足尾銅山から採掘されていたとした。

 また、明治時代に入って日本の工業化が加速すると足尾銅山は賑わいを見せ、付近には鉱山町が形成され、駅、学校、銭湯などさまざまな施設が建設されたとする一方で、1890年ごろの足尾鉱毒事件に代表される深刻な公害を引き起こしたほか、第2次世界大戦後は銅の採掘が急減し、1973年に採鉱がストップしたと伝え、町の建物はそのまま放置されたと紹介した。
 
 その上で、閉山からおよそ50年が経過した現在に至っても多くの建物が残され、ゴーストタウン化しているため、近年では廃墟巡りの愛好者らがしばしば現地を訪れて撮影を行い、ネット上で紹介されていると伝えている。

 記事は「日本の農村は環境や衛生が素晴らしく、家屋の設計にもロマンを感じさせることを認めざるを得ない」とする一方で、足尾銅山周辺の廃墟からは「窮屈、乱雑、窒息」という、まったく別の印象を受けるとした。そして「労働者の搾取、環境破壊という悪名を残した地域にはそもそも観光業を発展させられるチャンスはなく、その存在は歴史のベールによって隠されようとしている。その行く末は、間違いなく跡形もない消失なのである」と評している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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