中国では都市部に人が集中しているため、都市部で暮らす人たちは基本的に誰もがマンションなどの集合住宅に住んでいる。戸建てに住めるのは別荘を持てる富裕層が中心だ。
そのためか、初めて日本に来た中国人は、日本では都市部でも戸建てが多い様子を見て「日本にはどれだけ金持ちが多いのか」と驚くようだ。中国メディアの百家号は17日、「日本は人口密度が高いのに、どうして戸建てが多いのか」と題する記事を掲載した。

 中国の人口は日本の10倍以上に達するが、同時に国土も大きいために中国全体の人口密度は意外と低いのが現状だ。都市部は日本も中国も人口密度は高いのだが、日本では都市部の地価の高いエリアであっても戸建て住宅は数多く存在する。

 また、日本では中国と違って中間層でも戸建て住宅に住むことが可能だが、それはなぜだろうか。記事は、日本では敗戦後焼け野原となった場所に、人々が粗末ながらも自分の家を建てるようになったと紹介。経済発展に伴い、政府が持ち家促進政策を講じると、「土地の多い郊外を中心に戸建てが増えていった」が、これは都市部に人口が集中する中国とは真逆の現象だと伝えている。

 また、日本は「地震」が多いことも戸建ての多い理由の1つだと分析。戸建て住宅はビルよりも軽い材料で建てることができ、倒れにくく安全性が高いとした。さらに、土地の不足も「建築面積」を小さくすることでカバーしていると紹介。日本には庭や駐車場が付いている家が多く、広々として見えるが意外と建築面積は小さい。だからこそ、日本では限られた空間を最大限に生かす技術が発展してきたのだろう。


 中国では土地の個人所有が求められていないため、都市部の住居はほぼマンション一択であり、郊外の戸建ては超高額で、購入できるのは一部の富裕層に限られる。マンションも庶民の収入からすると非常に高いので、多くの人は高いローンを組んでマンションを購入し、「房奴」と呼ばれる住宅ローン返済のためにあくせく働く日々を送っている。戸建てに住むうえでのハードルが低い日本は環境としては恵まれているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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