
ボトルtoボトルリサイクルは、使用済みPETを回収・再生して新しいPETに生まれ変わらせて循環利用するリサイクル手法で、カスケードリサイクルに比べ「繰り返し利用できる」という点で環境にやさしい手法とされる。
カスケードリサイクルは、使用済みPETを食品トレイや繊維など他のプラスチック製品に再利用する手法だが、一度再利用してしまうと、それをPETに戻すことができず、最終的には焼却される。
自治体が回収したPETは、日本容器包装リサイクル協会(容リ協)を通じて入札に回され、カスケードリサイクルかボトルtoボトルリサイクルされるのが一般的な流れ。
これまで、この2つの手法のうちどちらがとられるかは入札者の判断に委ねられ不確実であったが、今回、全国で初めて複数の自治体が束となり、回収PETを直接リサイクラーに引き渡す仕組みを整備した。(画像下記事続く)
加えて、東播地域内にあるサントリー高砂工場が、リサイクラーから調達した再生PETで飲料製品を製造し東播地域を含む西日本に出荷していくことで、水平リサイクルをより分かりやすく伝え、地域住民の環境美化意識の向上も図る。(画像下記事続く)
3日、共同発表したサントリー食品インターナショナルの中村卓常務執行役員は「今後はこのような地域住民の皆さま、自治体、企業が三位一体で連携した活動を全国に広げていきたい」と意欲をのぞかせる。(画像下記事続く)

東播地域側からも「今後は2市2町が連携して環境先進都市を目指していく」(都倉達殊高砂市長)、「SDGsの持続可能な生産・消費サイクルを地域の皆さまに啓発していく意味でも非常に良いタイミング」(岡田康裕加古川市長)との声が上がる。

PETボトルリサイクル推進協議会によると、ボトルtoボトルリサイクルは全リサイクル手法の1~2割程度。さらなるボトルtoボトルの推進に向けて、東播地域を発端に、全国的な動きにつなげていくという考えもある。
東播地域での18年PET回収量は300t。同地域には、これ以外にスーパーや自販機など民間回収PETが18年時点で530tあり、今後は東播地域の自治体がスーパーなどに呼びかけ、民間回収PETもボトルtoボトルに回すように働きかけていく。
サントリー食品も今回の協定締結を機に、12年から業界に先駆けて展開しているボトルtoボトルの推進を加速させる。