激似!? と波紋「お~いお茶」と「伊右衛門」 カテキンで脚光の“濃い系”緑茶飲料 「綾鷹」も参戦
「綾鷹 濃い緑茶」伝統工芸支援ボトル(コカ・コーラシステム)
伊藤園の「お~いお茶濃い茶」とサントリー食品インターナショナルが2月23日にリニューアル発売した「伊右衛門 濃い味」の濃い系緑茶飲料2品のパッケージが似すぎていると波紋が広がっている。そもそも「濃い茶」「濃い味」の商品名を前面に押し出したパッケージで類似していたところに、「伊右衛門 濃い味」が中味とともに本格的な緑茶の濃い味わいが一目で伝わるようにパッケージを深い緑を基調に刷新したことで激似状態になったとみられる。


濃い系緑茶飲料は、伊藤園が04年5月に「お~いお茶 濃い味(現在の「お~いお茶 濃い茶」)を発売して市場を創造。近年は健康志向が高まり、カテキンの健康感に注目が集まっていることが追い風となり拡大傾向にある。

「お~いお茶 濃い茶」は、緑茶の主要成分であるカテキンがインフルエンザ対策としてテレビ番組に取り上げられたことを契機に18年末頃から上昇基調にあり、これに拍車をかけたのが機能性表示食品としての打ち出しであった。

19年8月、渋みとともに定評のある中味を変えずに機能性表示食品としてリニューアル発売。以降二ケタ増で推移し、20年はこれにカテキンへの関心の高まりが追い風になった模様で勢いが加速。「525㎖や600㎖のパーソナルサイズの続伸に加えて、2ℓや1ℓへのご支持も広がっている」(伊藤園・安田哲也緑茶ブランドグループマネジャー)という。

今期(20年5月-21年4月)、「お~いお茶 濃い茶」は前年比約1.3倍の見通しとなっている。「お~いお茶 濃い茶」は男性層が7割を占める一方、女性層が5割弱を占め50代以上に圧倒的に支持され勢いづいているのが同じく伊藤園のトクホ茶系飲料「2つの働き カテキン緑茶 500」。

昨年10月にパーソナルサイズを350㎖から500㎖に変更するなどして10月にリニューアル発売したところ、量販店では1Lがトクホ茶のトップに浮上。500㎖でもトップに肉薄し「トクホ茶でも№1を目指すべく今後強化していく」。

同商品の好調要因は「血中コレステロールを減らす」と「脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる」の2つのヘルスクレームと味わいにあるという。

「特に40代以上の女性のお客さまはコレステロールが高くなる傾向にあるということでお買い求めいただき、また「おいしくなった」や「飲みやすくなった」といったお声も多数いただくようになった」と説明する。


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「綾鷹 濃い緑茶」伝統工芸支援ボトル(コカ・コーラシステム) 一方、サントリーの「伊右衛門」は昨年、本体(緑茶)がヒットし、今年も本体に最注力の方針だが、エクステンション品にも挑む。その筆頭は同社が「新発想のブレンド茶」と謳う「伊右衛門 京都ブレンド」で4月6日に満を持して新発売された。

「伊右衛門 濃い味」の刷新はこれに次ぐもので、同商品の市場環境について「昨年、濃い味わいの煎茶市場は大きく伸長しており、しっかりとした渋みや濃い味わいの緑茶を求めるお客さまが増えている」とサントリーはみている。

「伊右衛門 濃い味」の中味は、同商品専用に開発した福寿園茶匠厳選の渋み茶葉を高温抽出することで渋みを最大化。同時に高カテキン石臼挽き茶葉を使用し、渋みの強さ・濃さはありつつも後に引かない独自の渋み設計を実現した。

パッケージは、本格的な緑茶の濃い味わいが一目で伝わるよう深い緑を基調とした。中央に「濃い味」と堂々と配置し、上部に「高カテキン石臼挽き茶葉」の金色の帯をあしらっている。

また、「綾鷹」(コカ・コーラシステム)も濃い系緑茶飲料に注力する。今年、「茶葉のあまみ」「ほうじ茶」とともに「濃い緑茶」の中味・パッケージを刷新した。

「濃い緑茶」について日本コカ・コーラの助川公太マーケティング本部緑茶グループグループマネージャーは「昨年は健康とは一線を画して展開していたが、やはりコロナの影響で健康感が『濃い緑茶』においても非常に重要になっている。味わいをキープしつつ、より健康感を打ち出すため、ガレート型カテキンの量を2倍にするなどして免疫や健康を気にするお客さまにアピールしていく」と説明する。
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