サントリーホールディングスの北村暢康サスティナビリティ推進部長は、このほど温室効果ガス排出削減に向けた取り組みに関してオンライン説明会を行った。

この中で北村部長は、「サントリーグループは、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出の実質ゼロ、2030年までにGHG50%削減を掲げており、この達成に向け2022年までに日本、米州、欧州の飲料・食品および酒類事業に関わるすべての自社生産研究拠点63か所で、電力を100%再生可能エネルギーに切り替える」内容の方針を示した。


そのため、2030年までに脱炭素を促進する1千億円規模の投資を実施。これにより、2030年時点に想定されるGHG排出量から約100万t削減できる見込みを発表した。

1千億円規模の取り組みの実例として、「熱負荷の少ないプロセスの開発と導入」「ヒートポンプや太陽光発電の更なる活用」「バイオマスなどGHG排出の少ない燃料への転換」を挙げた。

主な取り組みは、今年5月に稼働した「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」において再生可能エネルギー発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラーを導入し、再生可能エネルギー由来電力の調達などでCO2排出量ゼロ工場を実現。取引先との協働の取り組みでは、2030年までにグローバルで使用するPETボトルをリサイクル素材あるいは植物由来素材100%に切り替え、新たな化石由来原料の使用ゼロを目指す。

また、BtoB(ボトルからボトルへ)リサイクル技術では、国内飲料業界で初めてPETボトルのBtoBリサイクルシステムを開発。さらに、世界で初めて最先端リサイクル技術である「FtoPダイレクトリサイクル技術」も開発。これによりPETボトルリサイクルの一部工程を省くことで、環境負荷低減と再生効率化が実現でき、この技術により新たに石油由来原料を使用する場合と比較してCO2排出量を60%以上削減するシステムを紹介した。
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