東洋水産がチルド麺で増量企画を実施する。21日に発売する「マルちゃん つるやか ざるそば 2食入 1食増量」「同 稲庭風細うどん 同」(別230円)がそれだ。
ほかのカテゴリーでもグラム数や枚数などの増量はあるが、今回は1食分(180g)まるまるを増量するもので、数量限定とはいえ思い切った攻めの企画となる。

「つるやか」は、水でほぐすだけで食べられる即食タイプのチルド麺で、「流水麺」(シマダヤ)、「日清のそのまんま麺」(日清食品チルド)といった商品と競合関係にあるが、先行者利益を享受するトップシェア「流水麺」と比べると認知度や店頭カバー率で後れを取っている。増量企画を行うことで、チルド麺売場で来店客に手に取ってもらい、認知度アップにつなげていく。

前期はコロナ禍の巣ごもり消費もあり、チルド麺市場は二ケタ伸長した。今期はその反動を受けているものの、総務省家計調査(全国/二人以上の世帯/前年比)5月度の19年度との比較では、購入頻度16.9%増、支出金額17.2%増、購入数量21.9%増、購入世帯数6.9%増となっており、消費者が想定程度とどまっていることが分かる。

前期のチルド麺市場では、外食の代替需要を受け、お店品質の高付加価値タイプに注目が集まったが、今期は簡便ニーズも高まる見通し。即食タイプにとっては勝負の夏となる。
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