緑茶飲料トップ「お~いお茶」に力強さ 「濃い茶」絶好調でシェア拡大 成長加速へ「春に大がかりなことを」
本庄大介社長(伊藤園)
伊藤園は今年、「お~いお茶」で緑茶飲料トップシェアの地位を強固にした。

2日の決算発表会で「お~いお茶」のシェアが1-12月に1ポイント増の34%に達する見通しであることを明らかにした。
これにより緑茶飲料市場も1%増の4千230億円を見込む。

本庄大介社長は「緑茶飲料市場は1%の伸長とみている。その中で『お~いお茶』ブランド全体では4%伸ばす見通し」と語る。

その一番のけん引役は「お~いお茶 濃い茶」で、19年9月にガレート型カテキンを関与成分とした機能性表示食品としてリニューアル発売して以降、26か月連続で前年を上回った。

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本庄大介社長(伊藤園) 「『濃い茶』は季節や天候に影響されず年間通じて安定的に成長している。上半期(5-10月)の販売数量は23%増となり、通期(21年5月~22年4月)ではまもなく3千万ケースに達する」との見方を示す。

好調要因には味覚を挙げる。「機能性表示食品やトクホのお茶飲料で飲みにくい商品が多い中、おいしさが支持されているのだとみている」と述べる。これにより飲用層が拡大し、1ℓサイズなど全容量帯で好調に推移している。

飲用層は、メーンターゲットである40~50代男性のリピート購入を増やしながら、20、30代の男性や40代以上の女性といった新規購入者が増加した。

「お~いお茶」の下期戦略は、本格的な冬場に向けて52%と断トツのトップシェアを握るホット緑茶飲料を強化していく。

本庄社長は「お茶屋のお茶ということで、急須で淹れたような香り立ちや味わいが支持されているのだと思う。
当社だけの電子レンジ対応商品をしっかり売っていくことでシェアをさらに上げていきたい」と意欲をのぞかせる。

アイテム別では、旗艦アイテムで最大のボリュームを持つ「お~いお茶 緑茶」の強化策も予想される。コロナ禍や夏場の天候不順で市場が足踏みする中、「お~いお茶 緑茶」単体も上期にシェアアップが図れたという。

今後については「まだ言えないが、来春に『お~いお茶』ブランドとして新しい結構大がかりなことを考えている」と説明する。
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