14年連続成長のRTD市場でトップを走るサントリースピリッツ。主力ブランド「-196℃」に、新シリーズが登場する。
クラフトビールの人気が高まる中、缶チューハイにもクラフト感を求めるユーザーをターゲットに29日から発売するのが「CRAFT-196℃〈クラフトイチキューロク〉」(350㎖/500㎖)だ。

独自の「-196℃製法」による果実浸漬酒とともに、サントリー大阪工場のスピリッツ・リキュール工房で素材から吟味された原料酒を使用。つくり手の技とアイデアで、それぞれの果実の特長を引き立たせた。

フレーバーは3種。〈ひきたつレモン〉〈同みかん〉は、それぞれの果実の浸漬酒と果皮の蒸留酒に加え、花やハーブの香りで「果実以上に果実」なおいしさを実現。また、りんご浸漬酒とホワイトブランデーを使った〈ひきたつりんご〉では、果肉感を際立たせる複数のソフトフルーツの香りも加えるなど、さまざまな工夫を盛り込んだ。アルコール分は〈りんご〉のみ6%、他2品は7%と、フレーバーごとに最適な度数を採用している。

350㎖缶の希望小売価格は税別149円。一般的な缶チューハイと比べて8円ほど高い設定だが、「中味へのこだわりを適正に反映させた結果。付加価値を価格に転嫁した」(執行役員・鈴木あき子氏)と自信たっぷり。年間500万ケースの販売を見込む。

同社の調べでは、RTDで重視するポイントとして「味わいを楽しめる」「品質が良い」との回答が21年は前年と比べても顕著に増加。
「缶チューハイで家飲みが増えたので、以前より『つくりや味わい』を気にするようになった」(30代女性)といった声が寄せられたという。

これをチャンスととらえ、食中酒需要の開拓へ「-196℃ストロングゼロ」をリニューアル。低アルの「ほろよい」でも新フレーバーを発売するなど、主力による市場活性化を推進。さらに「こだわり酒場のレモンサワー」「翠ジンサワー」など市場横断型の本格RTDや今回の「CRAFT-196℃」をはじめ、サントリーの「ものづくり」を生かした新需要創造にも挑戦する。

昨年の同社RTDカテゴリー(ノンアル除く)は前年比112%(1億1千279万ケース)。ビール系大手4社でも1億ケースの大台はサントリーのみだ。22年の計画も109%(1億2千340万ケース)と鼻息は荒い。

「RTDにおいても味わいや品質を重視する傾向が強まっており、ものづくり起点での新需要にチャンスがある。サントリーの強みを生かした需要創造、新価値提案を強力に推進。市場活性化に貢献したい」(鈴木氏)。
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