その上で、クリアな味わいをベースにしつつもコーヒー感を打ち出すなどの細分化の動きや、缶でも飲みやすさにこだわるなど容器にとらわれない動きもみられる。
ドリップして飲む手淹れのレギュラーコーヒーがコロナ禍の巣ごもりで消費拡大しコーヒーの味覚水準が引き上げられたことや、健康志向の高まりでブラックの飲用機会が増えたことが二極化・多様化の要因とみられている。
コーヒー飲料の中で最も構成比が高く伸び続けているのがブラックカテゴリーとなる。
「ジョージア」(コカ・コーラシステム)から2月21日に一斉発売された3種類のブラックコーヒー 今年、このトレンドを受けて大きく動きだしたのが「ジョージア」(コカ・コーラシステム)で3種類のブラックコーヒーを2月21日に一斉発売した。
3品とも新技術を取り入れてコーヒー豆の挽きたてと淹れたての香りを追求した上で、各飲用シーンに合わせてそれぞれ味覚設計されている。
その狙いについて、日本コカ・コーラの河合英栄(はなえ)マーケティング本部コーヒー事業部長は、ブラックコーヒー市場が拡大していることに加えて「コーヒー本来の味わいを楽しみたいニーズや気持ちを切り替えたいニーズなど、飲用機会によって求められる味わい・容量・価格が異なると考えている」と説明する。
3品は、ショート缶とボトル缶に加えて、ショート缶のサイズに再栓できる価値を加えた極小PETで、全般的に香りやコクを高めることに重きを置いた味覚設計になっている。
同商品は、サントリーの独自調査で判明したブラックコーヒーユーザーの3つの嗜好のうち「飲みやすさ重視」に対応した商品で、「『ブラックコーヒーが大好きなのに、飲むのがしんどい時がある。かといって、お茶や水では気分転換ができない』というお客様の声から商品開発がスタートした」(SBFジャパンブランド開発事業部の若杉はるな氏)という。
PETコーヒーで主流となっている爽快感のポジションの中で異彩を放つのは「ファイア」(キリンビバレッジ)のPETコーヒー「ワンデイ ブラック」。
独自の価値について山中進マーケティング部ブランド担当部長代理ブランドマネージャーは「爽快感だけでなく、直火仕上げ製法でしっかりとコーヒーの味わいも打ち出している。物性価値に加えて、仕事へのやる気・勇気といった『心に火をともす』価値もある」と説明する。
UCC上島珈琲がレギュラーコーヒー本来の香り高さとおいしさを追求して差別化を図ったPETコーヒー「UCC COLD BREW」も「好調に推移した」(UCC上島珈琲)という。
「ワンダ」は、昨秋新発売した「モーニングショット ブラック」が好調に推移。
「タリーズ」は旗艦アイテムの「タリーズコーヒー バリスタズブラック」(390㎖)が回転で圧倒的№1を維持して昨年、約10%増の販売実績を記録した。
「コクや苦みを求めるお客様が、PETコーヒーでは物足りなさを感じられて、PETコーヒーから戻ってきている傾向にある」と井上信一マーケティング本部新ブランド育成コーヒーブランドグループチーフは語る。

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