
9月3日、ヨークHD体制下での初出店となる「ヨークフーズ MARK IS 葛飾かなまち店」の開店セレモニー後に開催された戦略説明会で明らかにした。
ヨークHDの石橋誠一郎社長は「9月1日、ベインキャピタルとともに新ヨークHDをスタートさせた。近い将来IPOを実現することが両社共通の目標となる。株式の35%超を保有するセブン&アイHDとの『食の連携』も継続する。食品スーパーが得意とするPB商品をセブン-イレブンに供給するすることでも収益を獲得したい」と抱負を述べた。
グループ成長に向けては「一体運営」を強調する。イトーヨーカ堂、ヨークベニマルは食品スーパー(フード&ドラッグ)に経営資源を集中。総合スーパー(GMS)の運営はクリエイトリンクに切り替える。
赤ちゃん本舗やロフト、デニーズなどの専門店事業もクリエイトリンクに移管。グループの「アリオ」や大型GMSだけでなく、他の商業施設にも展開することで専門店各社の成長を図り、そのノウハウのグループへの還元を目指す。
セブン&アイHD体制下では過去2年、スーパーストア(SST)事業の構造改革を進めてきた。
イトーヨーカ堂の山本哲也社長は「ここ数年既存店活性化投資に注力したことで、今年度第一四半期は既存店売上が伸長し、利益率も回復した。一つの“勝ち筋”が見えてきたことで社内的な自信にもつながっている。今後も既存店活性化を強化し、最終的に首都圏ドミナントNO1を目指す」と力を込める。
9月3日オープン「ヨークフーズ MARK IS 葛飾かなまち店」今後の新店フォーマットは、「ヨークフーズ MARK IS 葛飾かなまち店」と同様、既存店改装、建て替えなどによる食品スーパーが中心になる模様だ。既存のイトーヨーカ堂店舗は駅前好立地が多く、活性化投資による売上伸長の余地が大きいと見られる。
ベインキャピタル・ジャパンのパートナー兼日本プライベート・エクイティ共同責任者・西直史氏は「構造改革は継続するべきだが、今後は商品力強化、マーケティング・販促の強化など攻めに転じていく。既存店活性化投資を最優先として必要なら数千億円レベルの投資を見据えている。財務規律は必要だが、ITデジタル、新店、M&Aなど積極的な投資をサポートしていきたい」としている。