「成長のためには、より多くの方々にペローニをお届けする必要がある」と意気込みを語る、グローバルビアブランド室長のニック・ラークワージー氏。16年にブランドを買収しグループ入りした「ペローニ」は、同社にとって巨大ブランド「スーパードライ」と並ぶ重要な投資対象だという。
「これまでレストランやバーを中心にブランド力を構築し、わくわくする体験を創出してきた。量販店での販売へ移行するべく、缶を発売する。ペローニにとって重要な節目であり、このブランドに投資するというアサヒビールの強い意志を示すものだ」。
樽生は22年から名古屋工場での製造を開始したことで、輸入にかかっていたコストの削減に成功。これを機にイタリアンのみならず和食や中華の店にも採用が広がり、現在約7500店。年内に1万店とする目標を掲げる。
新たに加わる家庭用の缶は、9月と12月の数量限定発売を経て、来年に通年での全国発売を予定。瓶・樽も含め27年までに年間100万函の販売を達成し、輸入ビール市場で現在トップシェアの「ハイネケン」に代わる首位を目指す。
シトラスの香りを吹きかけて「プレモル」「ヱビス」を意識
コンビニ店頭の想定価格は280円前後。
「『ザ・プレミアム・モルツ』や『ヱビス』とは現状大きな差があるが、ペローニは当社にとって投資する価値があるブランド。より高いところを目指しており、プレモル、ヱビスを強く意識している」(グローバルビアブランド室 龍道友和氏)。
重めの味わいが主流の競合品に対して、空白地帯である「爽やかで飲みやすいプレミアムビール」としてのポジション獲得を狙う。
4日からは、有料試飲イベント「THE HOUSE OF PERONI 2025」が東京・渋谷の「ZeroBase渋谷」でスタート。クルージング船をイメージした特別な空間で、地中海の雰囲気を感じながら「ペローニ」の缶と樽生を楽しめる。缶やグラスにシトラスの香りを吹きつけ、爽やかな味わいを一層引き立てる“プロフューモ”も体験できる。
「数十円高いプレミアムビールとしての価値を生み出すための体験を大切にしている。イベントを通じて『少し高くてもかまわない』という印象を創出して、量販に入り込んでいく戦略を他国でも実行してきた。日本の(家庭用)ビールは缶が主流なので、業務用でそうしたイメージを作った後に量販店で販売するという戦略だ」(ラークワージー氏)。
いずれは全国規模でのイベントも視野に検討しているという。12月発売分では“プロフューモ”のミニボトル付き6缶パックを展開する。

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