UCCが環境変化に対応し制定したパーパス・バリュー 発信強化して協働・共創の輪を拡大
里見氏
 UCCグループは、コロナ禍による打撃を受け、グループ全体での環境変化への対応を目的に2021年10月に制定したパーパス・バリューの発信を強化して協働・共創の輪を広げていく。

 この一環で、パーパス・バリュー制定の背景や考え方、実践例などまとめた「UCCグループ サステナビリティレポート2025」を10月1日に公表した。


 10月2日、発表会に臨んだUCCジャパンの里見陵執行役員サステナビリティ経営推進本部長は「テーマ別に代表事例を多く盛り込んでいる。事例収集をしてみると、その数は圧倒的に昨年よりも多かった」と振り返る。

 レポートでは、パーパスに基づくサステナビリティ戦略とバリューの実践例を紹介。多くの実践例の中から以下の3つを巻頭で特集した。

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里見氏 ――世界初となる水素焙煎コーヒーの量産開始
 ――トヨタ「ウーブン・シティ」への参画
 ――国際農業開発基金と連携したタンザニア支援プロジェクト

 特集以外の取り組みとして、サステナビリティ推進室の中村知弘室長は、サステナビリティ教育やコーヒー×健康分野での研究推進、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の枠組みに基づく自然関連情報の開示について触れる。

 発表会では事業会社の実践例についても紹介。

 UCCグループで業務用サービス事業を展開しているUCCコーヒープロフェッショナルの村尾香織販売企画本部課長は、サステナブルな業務用コーヒー製品や今年開催した展示商談会で総廃棄物量を2022年の6分の1に削減したことを説明した。

UCCが環境変化に対応し制定したパーパス・バリュー 発信強化して協働・共創の輪を拡大
村尾氏
村尾氏 ユーシーシーフードサービスシステムズの平畑彰啓経営企画本部課長は、UCCグループの外食主力業態の「上島珈琲店」の取り組み事例として、マイタンブラーの推進やプラスチック資材の削減などを挙げた。

 UCCグループには従来、UCCグループ理念、UCCグループ五訓、基本戦略という経営方針があり、これらを実践してきたが、2020年にコロナ禍に見舞われたことで打撃を受け、環境変化に耐えうる戦略や組織の見直しを迫られる。

 「環境が非常に大きく変化しており、ここままではグローバルでは生き残っていけない。“脱皮”しないといけない」とのトップの考えを受け、当時、経営企画を担当していた里見氏が旗振り役になり、パーパスとバリューを制定した。

 パーパスは「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」。


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平畑氏
平畑氏 バリューとの関係について里見氏は「パーパスはUCCグループの存在理由で、我々が達成したいことを意味する最上位概念。その下の概念がバリューであり、パーパスを達成する考え方であり、従業員が日々業務を遂行する上で心掛けるものとなる」と語る。

 バリューは、コーヒーの価値探求・地球社会への貢献・挑戦と前進・協働と共創・倫理観と責任の5つで構成され、挑戦と前進・協働と共創はUCCグループ五訓を継承したものとなっている。
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