設備投資額は2021年から23年にかけて2000億円に上る。
24年から26年にかけては21‐23年比1.5倍の3000億円を計上。これには、24年9月に稼働した豪州の新工場のほか、ベトナム南部ロンアン省に建設予定の新工場や高砂工場に新設する製造ライン・物流倉庫などが含まれる。
5月20日、取材に応じた小野真紀子社長は「アジアは今後、ボリュームが増えてくると我々も期待しており、そのために生産能力をしっかり準備しておくことが必要。あとは工場に関わる人の能力も高めないといけない。各エリアの能力増強のため、国を超えた人材交流を加速させていく。特に欧州の人材の能力を引き上げていくことに注力している」と語る。
小野真紀子社長 世界各地の好事例を水平展開していく方針のもと、既にグループの中で随一の生産効率の高さを誇るタイ中部サラブリ県の工場(サントリー・ペプシコ・ビバレッジ・タイランド)の知見をフランスの工場に導入している。
「ワールド生産会議のようなものを開き、そこに欧州の工場長も招いてサラブリ県の工場での取り組みを学んでもらった。フランスの工場長は早速学んだことを取り入れ、生産効率がかなり改善している」という。
コーヒーなどの原材料高騰やインフレなどのコスト増やマーケティング投資などの費用増加を吸収すべく、売上収益の成長を追求しコストマネジメントも徹底している。
コストマネジメントの徹底にあたり、日本セグメントやAPAC(アジア・オセアニア)セグメントが欧州セグメントのベストプラクティスから取り入れているのは、収益を伴った売上成長戦略・RGM(Revenue Growth Management)。
「RGMとは、プライスパックアーキテクチャー(PPA)のこと。
PPAの一例には、マルチパックの本数と価格を調整する取り組みや、容量を細かく変更するやり方を挙げる。
プロモーションについては「パフォーマンスに結びついたかをきちんと分析する手法を取り入れている」という。
なお、サステナビリティについては「水・ペットボトル・GHG(温室効果ガス)の3つを主要テーマに掲げている。水への取り組みは一丁目一番地でありナンバーワンになるべく頑張っていく。プラスチックに関してはリーディンググループの仲間入りを目指す。GHGについては、我々は化学メーカーではないのでリーダーを目指すのではなく遅れずに取り組んでいく」との考えを明らかにする。

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