
新容器は、“つぶすのが面倒”“かさばる”といった飲み終わった後の空容器への不満を解消すべく開発されたもので、つぶし方・たたみ方とともに提案していく。
従来の容器と比べ重量やプラスチックの使用量などは変わらず、外観も一見すると違わないように見えるが、胴部(ボトル中央のくびれ部分)に革新が秘められている。
その革新とは平たく言うと、容器を斜めにつぶす発想を起点にしたものとなる。
取材に応じた平岡雅文SBFジャパンブランド開発事業部課長は「つぶした後に戻りにくくしたのが一番大きな改良ポイント。空容器をつぶす際によく見受けられるのが、ボトルをまっすぐ横につぶすやり方で、これだとペットボトルの四隅の固い部分が残り六角形のような形になって厚みが出て戻ってしまう。そこで今回、胴部分を改良した」と説明する。
サントリー食品インターナショナルの平岡雅文SBFジャパンブランド開発事業部課長 改良したのは胴部分で、従来品が長方形だったのに対して、形状を平行四辺形に改良した。これにより、胴部に指をかけて左右にずらすように押しつぶしやすくなり、つぶした際の胴部に厚みが出てしまうという課題を解消した。
「斜めにずらしてつぶすことで胴部が平らになり、胴部が平らになることで二つ折りにしたときも戻りづらくなり、さらにロックをかけられるようにしたため、本当に小さく戻りづらくなった」と胸を張る。
新容器の開発にあたっては、胴部のみ平行四辺形に押すというアイデアが浮上するまでと、アイデアを実現するまでに長い時間を要したという。
「ここ数年の間に、2Lを中心にミネラルウォーターはインフラ的な存在となっており、我々も生活の中でもっと使いやすい機能を持たせようと動き出した。その中で“空容器がかさばる”という一番大きな声に対応しようとしたところ、開発チームの一人から“容器を斜めにつぶすと、つぶしやすい”との声が上がり開発をスタートした」と振り返る。

新容器で“空容器がかさばる”などの不満を解消して需要を喚起していくため、コミュニケーションでは、たためるように改良されたことと、たたみ方を主に伝えていく。
布袋寅泰さんと芦田愛菜さんが共演するTVCMを放映するほか、ラベルや段ボールにはたたみ方を記載している。
その際、ポイントとなるのが“楽しさ”だという。

【写真】「サントリー天然水」2LPETの空容器をたたむ布袋寅泰さんと芦田愛菜さん
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