山崎蒸溜所は1923年、日本初の本格的なモルトウイスキー蒸留所として、京都の南西部に位置する天王山の麓に建設された。万葉の歌にも詠まれる名水の里に立地し、桂川、宇治川、木津川が合流する地形には、ウイスキーの熟成に適した湿潤な環境を有する。
創業者の鳥井信治郎氏から続く、「本格・本物=真善美」の美味品質にかける想いは代々引き継がれ、場内の製造設備の改修を積み重ねることで、さらなる品質向上に向けた技術開発や原酒づくりに努めてきた。
こうした取り組みが功を奏して、03年には「山崎12年」が世界的な酒類コンペティションISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)において初めて受賞。今年9月には「山崎25年」が、ISC全部門約2千300品の頂点である「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」を初受賞するなど快挙が続く。
(左から)福與伸二チーフブレンダー、鳥井信宏社長、藤井敬久山崎蒸留所工場長今回のリニューアルでは、先行公開した白州蒸溜所と合わせて100億円を投資した。品質研究・技術開発用の小型蒸留施設「パイロットディスティラリー」を改修して、環境に配慮したガスと電気のハイブリッド蒸留釜を導入するとともに、伝統的なフロアモルティング(床式製麦)を新設した。また山崎蒸溜所ならではの魅力をより体感してもらえるように、新たな施設展示や見学ツアーを展開する。24年には年間13万5千人、コロナ前の19年対比104%の来場者を見込む。
10日に報道陣へのお披露目会を実施。鳥井信宏社長は「100年を迎えるにあたりお客様にどう感じてほしいかと『山崎ソウル』をテーマに意見を出し合った。真摯なものづくりをしているところを見て、品質を感じてもらえれば」と話した。
プレミアムツアーを新設
敷地内には地域に自生する草木を植栽して“杜”を造った。「山崎ウイスキー館」は、ウイスキーづくりの継承と革新の訴求をより強化した内容に刷新。併設された「テイスティングラウンジ」では、約3千の多彩な原酒ボトルに囲まれた空間と、ポットスチルを再利用したバーカウンターで「山崎」をはじめとするウイスキーの試飲や、窓の外に広がる“杜”を堪能できるスペースを作った。
見学ツアーは「ものづくりツアー」(一部を除く毎日実施、80分、税込3千円)に、今回新たに「同プレステージ」(火・木曜日限定、120分、1万円)を新設した。いずれも五感で体験してもらうことをより強化。「プレステージ」では通常コースでは公開していないエリアや作業を作り手が案内するほか、専用のテイスティングルームにて「山崎12年」や稀少な「モルトウイスキー原酒」などを試飲に提供する。

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