国分首都圏は4月10日、東京・大手町の日経ホールで経営方針説明会を開催した。メーカー332社(加工食品123社、酒類82社、菓子52社、低温75社)を前に、南博貴社長が前期の概況および24年度の経営方針を説明した。


国分首都圏の前12月期売上高は3千816億円(前年比4.1%増)、経常利益58億円(同5.8%増)で着地。経常利益は2期連続で過去最高を更新した。カテゴリー別の売上構成比は加食55.8%(菓子4.8%)、酒類34.9%、その他4.7%。

コロナ禍の3年間は、売上高3千600億円台で推移していたが、23年度は3千800億円に拡大。業務用やレジャー・交通ルートの売上回復、EC/宅配ルートの伸長、価格改定効果が寄与した。利益面では、不採算取引の見直しと業務効率化が貢献。
AIによる需要予測は前期で80拠点に導入、バックヤードのコスト削減につながっている。

国分首都圏の開発商品売上高は前期3億8千600万円(同35.6%増)。首都圏エリアにとどまらず、グループのエリアカンパニーでの販売が広がっているほか、得意先専売品の開発案件が増えており、メーカー各社に引き続きの協力を求めた。

24年度の定量目標は売上高4千億円、経常利益66億円を計画。長計の経常目標66億円を1年前倒しで達成を目指す。

基本方針では

①食の価値創造の実践と循環~マーケティング活動の進化
②共創圏パートナーとの価値創造活動の加速~最適物流の追求・マザーセンター活用~
③地域共創ビジネスモデルの確立~新規事業者とのビジネスモデル構築~
④値上げへの対応

を掲げた。


南社長は「グループ方針の『顧客満足度1位を超えて、さらに超える』に沿って、国分首都圏として、顧客の期待値をあらゆる場面で超えていく。そのためには、既存の枠にとらわれない価値提供と主体的なコンサル業務を推進する意識・行動改革を進める」と語った。

マーケティング活動の進化では、売上拡大が続くEC/宅配ルートでの乾物乾麺の提案を強化。地域共創ビジネスモデルでは、自治体や企業と連携した国産ジビエの販路開拓やANAカーゴとの長崎県フェア、物流最適化に向けたマザーセンターの活用など、メーカーと連携して新たな価値を創造する取り組み事例を紹介した。