大人気のシャープ『ヘルシオ お茶プレッソ』新色登場!これは本...の画像はこちら >>

2014年4月25日にシャープから発売された『ヘルシオ お茶プレッソ』。「茶葉をひく」「湯を沸かす」「お茶をたてる」の3工程を1台でこなすという話題性から大人気となっており、売れ行きも絶好調。

一時は品薄になるほどだった。

店頭価格2万円弱と決して安くはないこの商品、今回は消費者目線で徹底検証してみた!

大人気のシャープ『ヘルシオ お茶プレッソ』新色登場!これは本当に買いか? 徹底検証してみた!

『ヘルシオ お茶プレッソ』は、茶葉を粉末状に砕き、栄養豊富なお茶を家庭で手軽に楽しむための家電製品だ。従来の2色のモデル(ブラック系/ホワイト系)に加えて、今回新たにレッドが登場した。

お茶プレッソの主なユーザー層は50~60代のアクティブシニア層。茶葉の栄養を丸ごと摂れるとして、シニアの健康志向をとらえている。また家に急須がないという若年層もターゲット。新色でレッドをリリースしたのはまさに、若い世帯のニーズ喚起を狙ったものだろう。お茶プレッソは、茶葉を粉末にできることをメインの機能としつつ、その粉末茶を使い、温かいお茶、牛乳などを使ったラテ、冷たいお茶が作れるという特徴がある。

まずはこの製品の最大の特徴、茶葉を丸ごと摂ることに注目してみよう。急須で淹れたお茶の場合、茶殻として捨てている栄養成分は約70%。『茶プレッソ』では臼で茶葉を粉末状にしたものを使うため、お茶の栄養を丸ごと摂れるのである! 抗酸化作用のあるカテキンは、1.9倍。食物繊維や消臭効果も期待出来るクロロフィルは、急須で淹れたお茶の場合はほとんど含まれないが、粉末茶にすることで丸ごと摂れる。


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今回は新色のレッドで検証を行った。(機能面などに特に変更はなく従来通り。)

はじめに持ってみて感じたのは、意外とコンパクトであり軽いこと。女性やシニアの方でも持ち運びしやすいサイズ。重さは約2.6キロ。このサイズ感なら、リビングから客間へ持っていきたいなどの移動も楽に出来る。

本体は、左側にお茶容器、右側にお茶うすがセット出来る。そのほかに、挽いた茶葉を入れる受け皿。付属品として、お茶スプーン、清掃用のお茶ブラシがある。

背面に水タンク。電源コードは約1.2m。操作ボタンは上部に取り付けられている。



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中に入っているものは、本体のほかに、取扱説明書、メニュー集、使用ガイド。

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それでは早速茶葉を挽いて、お茶を淹れてみよう。挽きかた調整ダイヤルを細(飲み物用)に合わせる。茶うすで挽いた粉末茶は、飲み物だけでなく料理にも使える。(粗は料理用)

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お茶うすのフタをはずし、茶葉を入れる。分量を選び、スタートを押す。すると、茶うすがゆっくりと回転をはじめ、粉末状にしてくれる。挽く時間は茶葉の量により変わってくる。1杯分であれば約2分。まとめ挽きであれば約15分となっている。

ガタガタとした振動はないものの、モーターが回る為それなりに音がする。壁に設置させていたり、置き場所によっては、この音が響いてしまう恐れがある。

集合住宅の場合は気をつけた方が良いだろう。

茶うすはセラミック製。低速でじっくりとすり潰すので、熱に弱い栄養成分を壊しにくい。

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挽き終わりはピーピーという音で知らせてくれる。茶うすの下にセットしてある受け皿を取り出してみると、とても細かな粉末になっており、お茶の良い香りが漂う!
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次にお茶を淹れるための水をタンクに入れる。作りたい分量の水だけを入れる。例えば、「3杯分作るけど、今は1杯分だけ」という時は1杯分の水だけを入れておく。水タンクの水は1回ごとに使い切る仕様。あとでまた作るからと、分量を多めに入れておいたりすると、その分の水が最初の時点ですべて使われてしまうので気をつけたい。作りたい茶葉の量に適した水を入れておこう。
1杯分(水位1):150ml 2杯分(水位2):285ml 3杯分(水位3):420ml
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お茶容器のフタカバーをスライドして開ける。茶スプーンを使い粉末茶をいれ、フタカバーを閉める。
温茶を選び、スタート。ゴボゴボとお湯の沸く音がし、お茶容器に注がれると中の羽が回転するのがわかる。出来上がりは音で知らせてくれる。

給茶レバーロックを解除して、給茶レバーを下げてお茶を注ぐ。この時に、しっかりと下まで下げないと、お茶が飛び跳ねやすくなってしまうので注意。ただ、注ぎ終わりはどうしても飛び跳ねてしまうようで、周囲が濡れる。そういうものと割り切って、ふきんを用意しておくのが賢明と言えそうだ。なお、お茶容器には保温機能はついていない。

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『ヘルシオ お茶プレッソ』で淹れた緑茶の出来上がり! 作業そのものは難しいことはなく、順番にボタンを押せば出来上がりという印象だ。

さて、すぐに飲んでみようとすると、かなり熱い。そして……まろやかではあるが、何かが物足りない。記者が思っている「お茶」とは少し違うようだ。


気になって調べてみると、『ヘルシオ お茶プレッソ』はカテキンなどの栄養素を抽出するために80~90度(沸かしたてのお湯)で淹れているのだ。つまり、あくまで茶葉の栄養をフルに摂取することにこだわるものであり、美味しさを引き出す淹れ方にこだわったものではない。その為、急須で淹れた時のような緑茶の風味や甘みが出ていないのである。急須の場合、70度くらいのお湯で淹れれば、苦味などが出ず、緑茶の風味を引き出してくれる。緑茶というのは、やや低温で淹れるのが美味しさを引き出すポイントなのだ。それが念頭にあると、残念ながらこのお茶は高温で一気に淹れたことで、香りも弱い感じがした。茶葉を粉末にした時の高い香りも、湯呑みの中では活きていない印象である。

ただ、これは好みの問題でもある。お茶プレッソで淹れたお茶は、茶葉をそのまま摂取しているはずなのに苦味もなくまろやか。スッキリした味わいである。また、高温で淹れても風味が壊れにくいほうじ茶などであれば、美味しく仕上がるかもしれない。

次にその他のお茶を作ってみよう。


お湯を使わないで作る冷たいお茶やラテの場合は、「ラテ(混ぜる)」ボタンを押して混ぜるだけで良い。
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冷茶の場合は、お茶容器に冷水、粉末茶の順に入れてから本体に取り付ける。「ラテ」モードを選び、スタートを押す。混ぜが完了したら、給茶レバーを下げれば冷茶が出てくる。
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冷茶の場合は、湯の温度に左右されないので、粉末茶のまろやかさが際立つ! 飲みやすくて、これは良い。

なお、粉末茶は溶けているわけではないので、しばらくするとカップの下に沈殿してしまう。ゆっくり飲んでいると、上の方は味が薄く、下の方が濃いという具合になってしまう点は注意。これは温かいお茶でも同じである。

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緑茶ラテも作ってみよう。あらかじめ温めた牛乳と粉末茶をお茶容器に入れる。本体をセットして「ラテ」モードをスタートするだけ。泡立ててくれるのでふんわりとした仕上がりになる!

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「ラテ」モードがあるということは、インスタントコーヒーでカフェラテも作ることが出来る。温めた牛乳、インスタントコーヒーを容器に入れて、スタートすれば良い。

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緑茶とコーヒーの性質の違いなのか、コーヒーの場合は容器の中にクリーミーな泡が出来ており、スプーンでこれをすくって、フォームミルクをカフェラテにのせることも出来た!

ただ……シビアなことを言うようだが、昨今はラテなども、家庭で簡単に作ることが出来るのも事実。牛乳を泡立てるための小さな泡だて器は100円SHOPなどでも売っており、そういうものでも早い回転でしっかりと泡立てることが出来たりする。それを思うと、ラテを飲むために『ヘルシア お茶プレッソ』を購入するというのは、現実的ではないとも思う。

やはりお茶プレッソは、あくまで「茶葉を粉末にできる」「茶葉の栄養を100%摂取できる」という機能を軸に考えるべき製品なのだろう。そこに簡易的な湯沸かしポットと撹拌機能がドッキングしている。それを「楽しむ」ことができるかどうかが、購入のポイントになるはずだ。

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さて、使った後はお手入れの時間である。使うたびに洗浄が必要なのは、水タンク、お茶容器、置き台など。お茶容器の回転はねもはずして洗う。

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本体が黒い為か、洗っても埃が付着して目立つのはやや残念。
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お茶うすは1ヶ月に1回程度のお手入れで大丈夫! しっかりと乾燥させて使用するものなので、洗ってしまうと乾燥させるのにそれなりに時間がかかる。普段は、付着した粉末をブラシで取り除くくらいに留めておいた方が良いだろう。
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また、緑茶だけでなく、紅茶や他の茶葉で作りたい時にその都度洗うのが大変だというユーザーからの要望が多く寄せられたため、新たに茶うすが別売りされている。
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お茶うす(茶筒風ケース付)<別売>の価格は6,400円前後。これで緑茶専用、紅茶専用など使い分けることが出来る。
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最後に、市販の粉末抹茶で、本格的なお抹茶が点てられるかどうかを検証してみた。1回分(150ml)なので、やや多めの抹茶を入れて、スタートさせてみる。

出来上がった抹茶は……残念、茶せんで点てたものには遠く及ばなかった。抽出温度が高すぎることもあり、美味しさを逃してしまっている印象。茶せんで点てた抹茶の美味しさはどこにも感じられず、ただのお茶であった。付属のメニュー集にも粉末茶を多く使ったものを「抹茶」と表記せず「抹茶風緑茶」としているのだが、その通りだと思う。イメージ図には茶せんを使った写真などが使われているが、これはあくまでもイメージ。いわゆる「お抹茶」が出来るわけではない。

大人気のシャープ『ヘルシオ お茶プレッソ』新色登場!これは本当に買いか? 徹底検証してみた!

以上、少々辛口の評価になってしまったが、前述の通り「茶うす」の機能を中心に「楽しむ」べき製品である。機能だけを求めるならば「お茶、ミル」等と検索すれば安価なものを見つけることはできる。そうではなくて新しモノ好き、シャープからの提案を楽しんでみたいという人ならば、しばらく遊べると思う! こういう面白アイテムは、たとえばゴルフコンペの賞品などにも最適だ。

オープン価格で、家電量販店やインターネット通販での最安値は、1万6000円前後。

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SHARP HEALSIO お茶PRESSO レッド系 TE-GS10A-R

それにしても『ヘルシオ お茶プレッソ』は、「一度沸騰させたお湯を適温まで冷ましてからお茶を点てる」との説明があるのだが、もっと冷ましてから抽出できないものだろうか? 技術的にはできそうな気がするのだが、今後のモデルチェンジ時に一層の改良を期待したいところだ。

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