トクホのコーラという新ジャンルを切り開いた「キリン メッツコーラ」で再び注目を集めているキリン メッツシリーズから、本来のアイデンティティであるフルーツ味炭酸飲料の『キリン メッツ(オレンジ/グレープ)』(480ml・希望小売価格 税抜140円・発売中※1.5lサイズも有)が発売となった。
その特徴はまず、無果汁ながらクーリングフレーバーを採用したところ。
そして強炭酸。刺激の欲しい人には期待度の高い要素。

さらに近年のオフ・ムーブメントに合わせたカロリーオフ。通常メッツの2/3という100ml当たり12kcalという低め設定。さらに小技で通常500mlのペットボトルを480mlにしているがゆえに一本あたり60kcal未満に抑えてあるのはかなりなオフ。
4月以降も新フレーバーが続々投入される予定らしいが、まずは定番のオレンジとグレープが先行発売となった。そこで実際の味わいを検証していこう!

スクリューキャップをひねるとブシュッという軽快な音とともに広がるオレンジ・フレーバー。強炭酸ということで余計に広がりやすいのかもしれない。
グラスに注ぐと本物のオレンジを連想させる少し濁ったオレンジカラー。でも無果汁。勢いの良い炭酸が豊富に泡立って見た目も爽快。
ただせっかくの強炭酸なのでグラスに注がずにボトルからも飲んでみよう。おうっ、これは強烈。のどに炎症を持っていたら沁みるだろうレベル。強炭酸は嘘じゃない。ごくごく飲むとゲップを抑えるのに苦労するくらい景気良くはじけている。炭酸のせいで上あご方向に味わいが集中する。

クーリングフレーバーを採用したオレンジフレイバーはどこか懐かしい趣き。本格派のオレンジが好きな人は眉をひそめるかもしれないが、フェイクっぽい駄菓子感覚のオレンジ味は、これはこれで童心に帰って美味しいと感じる。
甘さを作り出しているのは定番の果糖ぶどう糖液糖+砂糖だけでなく、アセスルファムK、スクラロースという人工甘味料がこれでもかと追加されているので、人によっては甘みが強く感じるかもしれない。
オレンジに酸味を求める人には物足りないかもしれないが、本来の果汁なしオレンジジュースの趣きは捨てがたい。それに何と言ってもこの味でカロリーオフというのは、甘いもの好きな人間にとっては福音ではないだろうか。
続いてメッツ・グレープを試す!
こちらもまたブシュッ音とともに広がるフレーバー。こぼしちゃったんじゃないかと一瞬どきりとするくらい強烈な香りが広がって驚く。
グラスに注いだ色味は赤ワインとコーラの中間のよう。ぶどうというには濃すぎるカラーだが、これもまた無果汁。
実際に飲んでみると、ぶどうの実と皮の隙間の香りがものすごく強力にプッシュされている印象。これもまた駄菓子的な味わいで、好き嫌いが大いに分かれるところだろう。

そしてこちらも直接ボトルから飲んでみる。強炭酸とともにクセのあるぶどう味が一気に広がり、インパクトが凄まじい。良く言えばパンチが効いている。悪く言えば少々毒々しい。だがそうしたカラダに悪そうな美味しさも、アリじゃないか?
この昭和の駄菓子店テイストのグレープ風味を構成するのは、これまた果糖ぶどう糖液糖+砂糖に加えられた人工甘味料アセスルファムK、スクラロースという甘みのスクラム。これだけ甘くて、この味わいで、それでもカロリーオフというのは、やっぱりなかなか捨てがたいものがある。

さて2種類飲んでみての感想。流行した「メッツコーラ」もそうだけれど、このメッツシリーズにホンモノ感を求めるのは、求める方が間違っているのだと確信した。味わいの根底にあるのは駄菓子的カラフルな味わいで、フェイクとしての楽しさを追求するシリーズではないかと。やりすぎ感さえある炭酸の強さも、そうして考えると実にエンターテイメント性が高いと言える。

端正な炭酸飲料が好きな人にはお勧めできないが、駄菓子センスを心ゆくまで堪能したいという諸氏には一度飲んでみることを強くお勧めする。ちなみに色も味わいもグレープのほうがより強烈なので、ジャンク道を極めたいならそちらを!
