松本人志と明石家さんまを呂布カルマが語る「特別な緊張感があり...の画像はこちら >>

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では「激増したタレント仕事について」語った。

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★今週のひと言「ダウンタウン松本人志さんと、明石家さんまさんに受けた衝撃」

前回は僕のような大したヒット曲もない地方のアンダーグラウンドラッパーが、テレビの地上波番組に引っ張り出されるようになったキッカケの話でした。

そして今回は、さらに去年から激増したタレント仕事について。

実際のところはどうなのか確かめようもないのですが、自分の認識としては、千鳥の番組『相席食堂』(朝日放送テレビ)に出演した際のこわもてだけどいい人のイメージから、ACジャパンのCM「寛容ラップ」につながる流れが大きかったように思います。

それにより各局のキャスティング担当者は、この人はテレビで使っても大丈夫なんだ、と思ったようです。何せラッパーの薬物等による逮捕報道はいまだに後を絶ちません。反社とのつながりを公言しているアーティストもいます。

なんらかのお墨付きがない状態でラッパーを一般的な番組に呼ぶのは、なかなかにリスキーだったのかもしれません。

そしてもうひとつのターニングポイントは、コロナ禍になり、週末のクラブでのライブが激減したタイミングで始めた自分のYouTubeチャンネル。週に一度ライブ配信をしていて、視聴者のスーパーチャットに返事をするだけなのですが、自然発生した切り抜きチャンネルにより拡散され、話せるヤツとのイメージがつきました。

そこから『マッドマックスTV論破王』(ABEMA)で西村博之(ひろゆき)さんとのディベート対決につながり、過去の『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)と同じく、『マッド...』でもチャレンジャーからたった一度で逆に挑戦を受ける側の"モンスター"に昇格しました。

その後は論破王ひろゆきに勝った男として、ワイドショーでのコメンテーターやトーク番組への出演オファーが激増していったのです。

特定の事務所に所属していたり、特別お世話になっている芸能人がいるわけでもない僕は、コメント時に何かに気を使ったり、いわゆる忖度(そんたく)をしたりする必要がなく、さらにプロラッパーという肩書でチンピラのような風体なので、特別知的である必要もありません。

そのときに感じたことを、感じたままに話せばよかったのです。

ワイドショーなどで繊細な話題にコメントをすると、即座に切り抜き記事になり、どちらに振っても逆側の立場からの反発があります。しかし、日々MCバトルのステージに立ち、SNS上でのプチ炎上にも慣れている自分には、なんのダメージもありません。われながら適役なのではないかと思っています。

そうした中、昔からテレビで見ていたさまざまな芸能人や文化人と番組などで共演する機会も増えてきていますが、やはりダウンタウン・松本人志さんと明石家さんまさんに初めてお会いしたときは、特別な緊張感がありました。メディアで引っ張りダコになっている人は、みんな例外なく魅力的なのですが、このふたりはその中でもことさら強烈です。

わずかながら、実際にお会いすると、編集されたテレビで見る以上にオーラや技術を感じる人がいます。松ちゃんとさんまさんは、まさにそれでした。

アンダーグラウンドヒップホップの世界には、漫画のキャラクターのようなハチャメチャで破天荒な人がゴロゴロ存在します。その世界と、テレビの世界を行ったり来たりしながら、その両方で強烈な人間と接する機会にあふれている自分の立ち位置は、恵まれていると感じざるをえないのです。

●呂布カルマ(Ryoff Karma) 
1983年1月7日生まれ、兵庫県出身。名古屋市在住。

JET CITY PEOPLE代表。ラッパーとして活躍する一方、グラビアディガー、コメンテーターとしても異彩を放つ。 
公式X(旧Twitter)【@Yakamashiwa】

撮影/田中智久