「人の話は聞かなければならない」
「人の言葉は重要だ」
「耳の痛い意見こそ受け入れて」
こんなことをよく言われるから、ついつい他人の話を聞きすぎて、その言葉に振り回されてしまうことがある。自分にわざわざ言葉をかけてくれるのだから、とつい真に受けてしまう気持ちもわかるのだが、他人の言葉は所詮他人の言葉。
『プロカウンセラーが教える スルーする技術』(みきいちたろう著、フォレスト出版刊)では、心理カウンセラーのみきいちたろう氏が、言葉に振り回されない方法、他人の言葉をスルーする技術を紹介する。
言葉に振り回されやすい人は、自分がない、自分の言葉がない、という傾向がある。言い換えると、スルースキルを身につけるとは、自分の言葉を取り戻すということ。
どんなに近しい人であっても、他人の言葉はいい加減で雑味が多いもの。なので、基本的にはスルーして、吟味を重ね、雑味をよくよく排除する。その上で利用できるものは利用する。自分の言葉を取り戻すとは、言葉に対する主権を自分のものにすることだ。どの言葉を受け取り、どの言葉を受け取らないのかを自分の基準で判断すること。どのように解釈するかも自分で決める。
そして、スルーするには、自分の文脈を意識することが大事なのだそう。
言葉を自分の文脈でスルーしながら取捨選択する際に大切なことが、ガットフィーリングで判断すること。ガットフィーリングとは、直訳すると「腸の感覚」だが、「腑に落ちるかどうか?」「腹落ちするかどうか?」ということ。言葉は耳でなく、身体で聴く。まずはピンとくるかどうかで判断するといい。
他人の言葉に振り回され、傷ついてしまう。
(T・N/新刊JP編集部)