伝えたいことを上手く書けなかったり、ありきたりな文章になってしまうなど、文章を書くことに苦手意識を持っている人は多いだろう。論理性が大事なのはわかっている。

でも論理性を重視した文章は面白みがなく、読み手の目が先に進まない。

メールや企画書、SNSの投稿など、文章を書く機会は多い。どうすれば上手く文章を書くことができるようになるのか。

◾️そもそも「上手な文章」とは何か?

『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。 読みたくなる文章の書き方29の掟』(pato著、アスコム刊)では、ライターであり、累計5000万PVを超えるテキストサイト「Numeri(ぬめり)」管理人のpato氏が、下手で読まれない文章、それに伴う絶望、これらを解決するための試行錯誤や誰かの心にバズるための手法を紹介する。

文章を書くときに、文章力を気にする人は多いだろう。

そもそも上手い文章とは何なのか。読む人や使われる場面によって上手な文章の認識は変化していくもの。人によっては綺麗な表現が使われている文章を上手い文章と感じるかもしれないし、読みやすい文章を上手に感じるかもしれない。

pato氏による上手い文章とは、そこに適切にあてはまる文章だと述べる。ここに綺麗な表現が必要だとしたら、そこに当てはまる綺麗な表現の文章が上手い文章である。ここでは読みやすさを重視しようというときは、読みやすい形式で入る文章が上手い文章。

その場所に入るべき適切な文章こそが上手い文章ということだ。つまり、文章力がある状態とは、多くのパターンの文章を書くことができ、そこにあてはまるべき文章を適切に選択できる状態といえる。

pato氏は筋トレをして負荷をかけることで筋肉がつくように、文章力も負荷をかけながら書くことでついていくという。文章における適切な負荷とは、そこに入る文章を100パターンくらい考え、適切なものを選択すること。まずは最初は5パターンくらいから始めるといい。

どこをクローズアップするのかを変えてパターンを増やしてみたり、少し描写を増やしたパターンで書いてみたりと、同じ情報を記述するだけでも多くのパターンの文章を書くことはできる。

これを意識して書くのはもちろんのこと、他人の文章を読む場合でも、自分だったら同じ情報をこういうパターンで書く、と意識して読む。これが文章的な筋トレとなる。

これを続けていると、まず自分が使える文章のパターンが増える。そうなると、そこにあてはまるより良い表現を選ぶ可能性も高まってくるのだ。

文章が上手に書けない、読んでもらえない、伝わらないと嘆く前に、試行錯誤してみようとpato氏は述べる。良い文章を書けるようになるために、負荷をかけて書くなど、本書を参考に試行錯誤してみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)