バイエルンは4月30日、チャンピオンズリーグ(CL)・準決勝ファーストレグのレアル・マドリード戦を控えている。この試合を前に、現在のバイエルンに所属する唯一のスペイン国籍選手であるMFブライアン・サラゴサが、バイエルンで過ごす日々やCLの展望などを語った。
スペインメディア『マルカ』が伝えている。

 現在22歳のB・サラゴサはスペイン南部アンダルシア州のマラガ出身で、2019年夏にグラナダのU-19チームに加入。3部クラブのレンタル移籍も経験しながら、2021-22シーズンにグラナダでトップチームデビューを飾った。昨季は序盤戦こそベンチを温める日々が続いたものの、最終的には主力の座を射止め、クラブのセグンダ(ラ・リーガ2部)優勝&1年でのプリメーラ(1部)復帰に貢献。今シーズンは自身にとって初の1部挑戦ながら、切れ味鋭いドリブルを武器にラ・リーガを席巻。グラナダではラ・リーガ21試合出場6ゴール2アシストという成績を残し、昨年10月にはスペイン代表デビューも飾った。


 そして12月、バイエルンへの“ステップアップ”が決定。当初は来シーズンから合流の予定だったが、ウインガーに負傷者が続出したことを受け、今年2月に前倒しでの加入が発表された。だが、バイエルンではここまで主力に定着できない日々が続き、ブンデスリーガわずか4試合の途中出場にとどまっている。

 ドイツではなかなか安定したプレー時間を確保できていないが、B・サラゴサはバイエルンで過ごした数カ月間に充実感を覚えているようだ。「この数カ月で、個人的としても、プロフェッショナルとしても、大きく成長することができた。このクラブの雰囲気は格別だし、日々の練習では世界最高の選手たちから学ぶ機会もある。
クラブが僕を信頼してくれたこと、そしてバイエルンという名門クラブの一員になる機会を与えてくれたことに感謝しなければならないよ」と語り、「クラブは僕の能力に絶大な信頼を寄せてくれているし、僕が選手として成長し続けられるよう、必要不可欠なサポートをしてくれている。日々のトレーニングだけでなく、高いモチベーションを維持して自分の仕事に集中するための精神的なサポートも含まれているんだ」とクラブからのサポート体制も称えた。

「つまり、クラブが常に僕の味方でいてくれるおかげで、僕は前向きな姿勢を保ち、このクラブで成功を掴むための弛まぬ努力を続けることができている。このような環境こそ、僕の望んでいたことなんだ」

 今はピッチ上で真価を示せていないが、クラブからの信頼を感じられているB・サラゴサは、“来たるその日”のために高いモチベーションを保っている。「これからも成長し続けたいし、僕にできるすべての力を発揮してチームに貢献したい」と意気込むと、「このクラブで自分の地位を確固たるものとし、スタメンの座を勝ち取ること」と現時点での目標にも言及。「ここには激しい競争がある。
そんな環境で学び続け、経験を積むことは、長期的な目標を達成するための手助けになるはずだ」と語った。

 また、現在の起用状況から来季は出場機会を得るために“武者修行”に出る可能性も報じられていたが、B・サラゴサは「いくつかのクラブが僕に関心を示してくれたことには感謝しているが、レンタル移籍は考えていないよ」とその噂を否定。「僕が今考えていることは、ここでハードワークを続け、バイエルンでチャンスを得られた時、それを最大限に生かすことだ」と強い決意を露わにし、「僕はクラブにコミットしているし、今はミュンヘンで成長し続けることだけを考えているよ」と明かした。

 前記の通り、バイエルンはCLの準決勝でレアル・マドリードと激突する。スペインで生まれ育ったB・サラゴサにとって、レアル・マドリードは“唯一無二”の存在だ。「レアル・マドリードが偉大なチームであることは知っている」と話したが、一方で「CLで結果を残してきた世界有数のビッグクラブであることは僕らも同じだ。
勝率は五分五分だろう」とコメント。「僕らのドレッシングルーム内には、勝利への熱意と欲が充満している。僕らが勝てると信じているよ」と自信を示した。