ベルギーサッカー協会(KBVB)は10日、アル・カーディシーヤに所属するGKクーン・カステールスが同国代表から引退したことを発表した。

 現在32歳のカステールスは母国の名門ヘンクやホッフェンハイム、ヴォルフスブルク、ブレーメンを経て、昨年夏からサウジ・プロフェッショナルリーグのアル・カーディシーヤで活躍している。
。ベルギー代表ではティボー・クルトワの控えに甘んじ、長く出場機会を得られなかったが、同選手がドメニコ・テデスコ前監督との確執によって招集を辞退してからは正GKに定着。EURO2024でも全4試合にフル出場した。

 そんなカステールスが突如として代表引退を決断。KBVBは公式Xにて「本日、クーン・カステールスがレッド・デビルズ(ベルギー代表の愛称)から引退するという決定が伝えられた。その選択を残念に思う一方で、彼の長年に渡る献身とともに分かち合った瞬間に心から感謝したい」と声明を発表した。

 スペイン紙『アス』など複数メディアは、カステールスが代表引退を決断した背景にはクルトワの存在があると指摘。テデスコ前監督の下でのプレーを拒否していたレアル・マドリードの守護神だが、1月にリュディ・ガルシア新監督の就任が発表されると、ポッドキャストで「母国のためにプレーするのが恋しかった。もう1年半もプレーしていない。復帰する準備はできているよ」と発言し、代表復帰を示唆していた。

 しかし、こうした現状に苦言を呈したのがカステールス。現地時間9日にはポッドキャストにて代表引退の決断とともに「クルトワが代表に復帰するかどうかを自分で決められるのは、少し奇妙なことだと思う。
そして、サッカー協会が考えを変え、何もなかったかのようにレッドカーペットを敷き、両手を広げて彼を歓迎することも奇妙だ。これは彼の問題ではなく、サッカー協会の問題だ。僕がスポーツチームや組織にとって相応しいと考える基準や価値観に合わない」とコメントしていた。

 一方で、ベルギー代表のヴァンサン・マナートSD(スポーツディレクター)はカステールスの決断について「彼は32歳でキャリアの別の段階にいて、サウジアラビアのクラブに完全に集中したいと語っていた。クルトワの復帰で別の選手が問題を抱えているということは聞いていない。彼の発言に何人かの選手が驚いたかもしれない。しかし、KBVBに入ってから何人かの選手と話をしたが、誰も私にそのような合図を送っていない」と言及している。
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