42歳の青年監督の挑戦はわずか9カ月足らずで終焉を迎えることとなった。
大きな期待とともにイタリア屈指の名門へやって来たモッタ氏だが、シーズン序盤から勝ち切れない試合が続く。セリエAでは第21節までを無敗で駆け抜けるも、その間の戦績は8勝13分。直近ではCL出場権を争うアタランタ、フィオレンティーナに連敗を喫し、現在勝ち点「52」の5位に留まっている。また、CLではラウンド16へプレーオフでPSVに敗れ、ラウンド16進出ならず。コッパ・イタリアとスーペルコッパ・イタリアーナでもタイトル獲得を逃した。
セリエAでは未だ3敗しか喫しておらず、CL出場権争いに身を置いているにも関わらず、なぜユヴェントスは指揮官交代を決断したのか。23日のイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は「ジュントリ(ユヴェントスのスポーツディレクター)とモッタの激しい対立。解任に至った経緯」と題して幾つかの理由を指摘している。
まずはタイミング。アタランタに0-4、フィオレンティーナに0-3で敗れた直近2試合の結果が、解任の決定打となったことは間違いなさそうだ。
また、コッパ・イタリアとスーペルコッパ・イタリアーナでもタイトル獲得を逃したことや、CL出場権も獲得できるか不透明となっていることに加え、ボローニャで展開していた“美しいサッカー”をユヴェントスで再現できていないこともマイナスに働いたようだ。ガゼッタ・デロ・スポルトは「モッタは自身の考えを裏切ったわけではないが、ユヴェントスの期待を裏切った」と報じている。
さらには、試合で結果が出なかった際のモッタ氏の反応が「常に冷静であったこと」も上層部の不信感を買い、ロッカールームでは選手たちからの信頼を集めることができていなかったという。ジュントリSD(スポーツディレクター)がインターナショナルマッチウィークを利用して会談を行った際も、モッタ氏が説得力のない回答に終始したことで、当初の想定にはなかった解任という決断に達したようだ。
なお、モッタ氏の後任には現役時代にユヴェントスでプレーし、引退後はエラス・ヴェローナ、マルセイユ、ラツィオなどを率いたイゴール・トゥドール氏が就任している。