試合開始前から冷たい雨が降り始めた東大阪市花園ラグビー場。
今季の開幕から起用されていたボランチではなく、前線のトップに近いポジション。すると、32歳は体の強さを生かして相手DFとの競り合いを制するなど、水を得た魚のように躍動し、ストライカーとしての本能も呼び覚ました。75分、ゴール前中央でクリアボールを拾った島田がシュート。木匠は相手DFに当たってこぼれたボールに鋭く反応し、奈良ゴールに押し込んだ。
「島田選手がシュートを打ったときに、来るかなと思った。転がってきたという感じ。あとはもう押し込むだけだった」とゴールシーンを振り返った木匠は、「シュートのこぼれ球だが、ゴール前に行って、泥臭く決めることができてよかった」と破顔した。
大阪府出身で、京都産業大から当時、日本フットボールリーグ(JFL)で戦っていたFC大阪に加入。以来、FC大阪一筋でプレーしてきた生え抜きの選手である。オフにボランチの選手が相次いで移籍したこともあり、今季は開幕から守備的MFで出場。チームとしても個人でも、なかなか結果が出せない中、前節のカターレ富山戦から控えに回っていた。
今回の生駒山ダービーもベンチスタートだったが、慣れ親しんだ前線でのプレーで今季初ゴール。「やっぱり先発で出たい気持ちはあるが、ベテランとして、そういうところを表に出すよりも、自分の中で気持ちを熱く燃やすのを常に考えながら行動している。どのタイミングで出てもしっかり仕事をするというのを考えている」と木匠が言えば、藪田光教監督も「苦しい時間を耐えながら、前からのプレッシャーという持ち味を出し、追加点も取る。それを実行してくれ、チームが相当楽になった」と献身的なベテランのプレーをたたえた。
FC大阪と奈良クラブが2023年にそろってJリーグに参戦して7度目の生駒山ダービーで、ホームチームが勝利するのは、初めて。2点差がついたのも初めてだ。対戦成績はFC大阪の3勝3分1敗となった。
明治安田J2・J3百年構想リーグで初の勝点3を挙げた藪田監督は「(2試合連続の)無失点で終わることができ、練習の成果が出ていると思う」と手応えを口にし、木匠も「僕も長くこのチームにいるので、(生駒山ダービーは)嫌でも意識するところがある。チームが今季、なかなか勝てない状況で、本当に意味がある1勝になったと思う」と力を込めた。
途中出場で出色の働きを披露した木匠に前線でのプレーについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「点も取れたし、プレーしている感覚も楽しかった。もちろん、ボランチが楽しくないということはないが、久々にゴール前にどんどん入っていけるというところもあったので。
指揮官にうれしい悩みを与えるベテランの活躍でもあった。
取材・文=北川信行

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