その結果、「最大で1500万人」、つまり男性の約24%、日本人の8人に1人は何らかの弱者性を抱えていることがわかった。そのなかには、一見“強者”と思われがちな高学歴男性もいる。共感が得られない、孤独な生きづらさの正体に迫った――。
今回は30代前半で年収1000万円を超えるのに婚活で苦戦し、苦い思いをしている男性に話を聞いてきた。彼はなぜ弱者になってしまったのか。
年収1000万円超でも顔と家庭環境で婚活に苦戦
「外見がキングボンビーに似ているからと、いじめられたことがあります」と語るのは、色白でぽっちゃり体形のサライさん(ハンドルネーム・34歳)。
サライさんは、大阪の高専→新潟の国立大を卒業。
「もともと肌が白くて太っているので『大福』っていじられて、嫌でしたね。高校生のころは、通学路が自転車で坂を下るルートだったんですが、せっかくカッコつけてセットした髪が、下り坂の風でブワッと広がって、先ほどのひどいあだ名につながりました」
恋人いない歴=年齢。友人に相談するも…
これまでに恋人ができたことはない。大学時代は、友人に「彼女が欲しい」と相談したこともあるが……。「『歯を矯正しろ、痩せろ、学歴もあるんだから、それならモテるはずだ』と厳しい指摘を受けました。ただ、僕はストレスが溜まると食べてしまうタイプ。だから、ダイエットが本当に難しいんです」
家庭の事情を話すとLINEをブロックされる
「相手の候補を検索するときに、170㎝以上でフィルターをかけている女性が多いのか、マッチングアプリでは、一切マッチしませんでした。登録した結婚相談所には、160㎝台の男性で構わないという女性もいましたが、自分は顔写真で切られてしまう」
しかし、サライさんの年収はなんと毎年200万円ずつ上がっている。それに比例して、会える人の数は増えた。
「デートはしてもらえるのですが、いざ結婚の話になると、。
「女性を責める気にはなれない」
高学歴・高年収、さらに性格も穏やか。その長所を持っているからこそ、サライさんは「女性を責める気にはなれない。そういう原理で結婚相手を選びたい、女性の気持ちもわかるので」と語る。「結婚したら、ATM扱いでも構わない。高学歴・高年収。
容姿に介護、きょうだいの病気。複数の弱者性が悲痛な叫びをもたらしている。
【サライさん(ハンドルネーム・34歳)】
大阪の高専を卒業後、新潟の国立大に編入。英語やプログラミングの難関資格を取得し、外資系IT企業でソフトウェア開発を担当。人生で彼女ができたことがない
<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[[高学歴弱者]の肖像]―