人はときどき、驚きの行動に出ることがある。また、そんな場面に遭遇してしまうこともあるかもしれない。
今回は、まさにそのような場面に遭遇して驚愕したという石森奈緒さん(仮名・40代)に話を聞いた。
目はバッキバキに…初対面なのに“暴露”しまくる店長に思わず「...の画像はこちら >>

よく通っていたコンビニが閉店

 20年ぐらい前によく通っていたコンビニが閉店することを知り、久しぶりに足を伸ばして店へ行ってみることにした奈緒さん。店舗出入口の貼り紙に書かれた閉店の文字を見たときは、ショックだったとか。

以前は愛想のいい女性スタッフが2人いて、お店の駐車場にはいつも車がたくさんとまっていた、そんな印象があります。女性スタッフは毎日のように立ち寄っていた私を含め、ほかのお客さんとも挨拶のほか、ちょっとした日常会話も交わすなど気さくな雰囲気でした」

 そのコンビニを気に入ってはいたが、自宅からは30分以上かかることもあり、転職をキッカケにパッタリと行かなくなった奈緒さん。商品が少なくなった店内で買い物をしていると、懐かしさと寂しさが込み上げてきた。

堰を切ったように店長が…

「レジのタイミングで思わず、『閉店するんですね。昔よく来ていたので残念です』と声をかけていて、自分でもビックリ。
でも、レジ対応をしてくれた男性スタッフはやさしく、『そうなんです。仕方ないですけどね』と返してくれました」

 そのため奈緒さんも、「大変だと思いますが、頑張ってくださいね」と反応。「ありがとうございます」とスタッフが返答し、ここで会話が終わると思っていた奈緒さんだったが、これがラリーの幕開けとなる。

「スタッフは『……でもまぁ僕は別の店舗に移って、また同じように店長やるだけなんで』と言います。何と返していいかわからず、そうなんですね?と相槌のように応えたところ、『困るのは、アルバイトかな?』と言うのです」

 そしてそのあと、そのスタッフ(店長)は堰を切ったように、アルバイト店員をディスリはじめたのだ。「まぁ困るだろうな」「うん、困ると思う」「そもそも、あんまりシフト入ってなかったし」などと独り言のようにブツブツとつぶやく。


店長の目はバッキバキに

「続けて、『シフト入ってなかったというか、シフト入れても急に休むし、間際になってシフト変更するし』と言いはじめ、まるで私のことなど視界に入っていないかのよう。店長のグチは止まらなくなりました」

 店長は「急に休まれたりシフトを変更されたりしたら、こっちが出ないといけなくなる」「出てきても、アルバイト同士でしゃべって仕事にならないし」「注意してもまったく改善しないし、客は立ち読みしかしていかないし」と、不満を大爆発。

店長の目はバッキバキになっていて、口を挟むどころではなかったです。しかも、だんだんとヒートアップして『あんなヤツら、ほかの職場じゃ使えないだろうから、働き口に困るだろうな。清々する!』と口調も乱暴になっていき、怖くなりました」

笑って誤魔化そうとしていたが…

目はバッキバキに…初対面なのに“暴露”しまくる店長に思わず「ソレ、言っても大丈夫?」
コンビニ
 コンビニ内には、店長と奈緒さん2人だけ。狂気じみた店長の言葉を、ただひたすら聞き流すすかない。店長は「バイトのせいで、俺は友だちとの約束をドタキャンしたり、遊んでいる途中に帰ったり。このタイミングで閉店になっていなかったら……」と続ける。


「そして、『俺がアイツらを……』と言いながら拳を握ってプルプルと振るわせていたのです。そのあと、やっと私の存在を思い出したのかハッとした様子で『あっ、忘れてください』と笑って誤魔化そうとしていました

 どう反応していいかわからず、店長が慌てて奈緒さんが購入した商品をバーコードする手元に視線を移したとき、店長の服に浅黒くなった血のような、何かの汚れのようなものが手のひらサイズで染み込んでいるのを発見したのだ。

あんなに汚れている人を見たことない

目はバッキバキに…初対面なのに“暴露”しまくる店長に思わず「ソレ、言っても大丈夫?」
※画像はイメージです
「色が浅黒くなっていたのでパッと目立つ感じではありませんでしたが、手のひらサイズなのでかなり広範囲の汚れ。コンビニのスタッフで、あんなに汚れている制服を着ている人を見たことがありません

 奈緒さんは以前、仕事関係で心を病んでしまった友人から「自分のことに気を配れなくなり、服の汚れなども気づきにくくなった」という話を聞いたことがあった。そのため、「この人、大丈夫かな?と本気で心配になりました」と、話す。

 人は我慢の限界を超えると、思わぬ行動に出てしまうこともあるようだ。
ストレス社会の現代では、こまめに自分と向き合い、ケアしてあげることも重要といえそうだ。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5