その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただいております。
「宅飲みしてろ」ガールズバーのドリンク代を渋る男性に非難殺到
先日、X(旧Twitter)で、とある男性と思われるアカウントが「ガールズバーを利用した際にガルバ嬢のドリンクを断り続け、嬢を泣かせた」という旨の投稿を行い、ほんのり炎上していました。
ざっと見たところ、「宅飲みしてろ」「(ガルバで女の子のドリンク代をケチるのは)居酒屋に行ってお通しだけ食べて帰るようなもの」「ガルバって女の子と乾杯して楽しむ場所じゃないのか?」といった反応が多く、いち飲み屋の女としてはとても安心しました。
キャストドリンクをしぶる男はイケてない、という認識はすでに一般に浸透していると感じたので、ここではあえて触れませんが、飲み屋の常識は世間の非常識でもあり、この他にも暗黙のルールが多々あります。
そこで今回は「知らないと恥をかく キャバクラのお酒に関する暗黙のルール」をご紹介します。
恥をかかないためにまず知っておくべきこと
こんなことを言うと、「時代遅れにも程がある」と、駅から徒歩約20分の外階段ボロアパートに住む低収入おじさんたちがまた怒り出しそうですが、飲み屋さんは男性がカッコよく飲むためにあります。
焼酎が好きだけど、焼酎=安価なお酒、というイメージが根強いので「自分で飲む用ボトルとして焼酎を注文するけれど、見せる用のボトルとしてウイスキーも注文したい」とおっしゃる神様もいらっしゃるくらいです。
カッコよく振る舞う男性を「いやん!さすが!スッゴイ!カッコいい!!」と大拍手で褒め称え、崇めるのが我々のお仕事です。くだらないといえばくだらないですが、そういう場所です。
以上を踏まえた上で、「キャバクラのお酒に関する暗黙のルール」について解説します。
その①ボトルが空のまま帰ってはならない

まず、キープしていたボトルがほとんど空になっている状態で帰ってしまうのは非常にカッコ悪いことだと心得てください。
ボトルが空きそうになったら「もう1本入れて帰るよ」と、オーダーして帰るのがスマートなオトナの男ってもんです。ただ、おしゃべりに夢中になるなどしていて、ボトルの残量にまで気が回らないなんてことはザラです。
そんなときには、こちらから「もう1本いただいてもよろしいでしょうか?」とお声がけさせていただきます。それはひとえに、皆さんに恥ずかしい思いをして欲しくないからです。というのは半分は建前ですが、半分は本音です。
その際に「ボトルは次回にしておくよ」と、断ってしまうと非常にカッコ悪いです。
ボトルを入れたくない理由はおそらく2つです。1つは「もうお店を利用する気がないから新しいボトルもいらない」というケース。この場合は新しいボトルをキープしないのは当然です。指名嬢ともめて「もうここには来ない!」と言って、ボトルを持ち帰るおじさんもいます。
はたから見ていてカッコいいものではありませんが、「もうここには来ない!」というつもりなら問題ないと思います。
もう1つは単純に懐が寂しいというケース。
後者の場合だと、そもそも遊びに来ている場合じゃないだろ、と心配になります。そんなギリギリの状態で飲み歩いている場合じゃないです。飲み屋さんは無理して遊びに来るところではありません。
ご利用は計画的にお願いします。
その②ハウスボトルを飲むなら1セットまで
「フリー(指名嬢がいない状態)で遊んでいるから」「まだ今はお試し感覚だから」という理由で、ボトルを入れない方もいらっしゃいます。
キープボトルを作らずに、まずはハウスボトル(お店が用意している飲み放題のボトル)を飲む、という楽しみ方はもちろんルール上はOKです。ただ、ハウスボトルを飲むなら1セットで切り上げて帰るのがスマートです。
また、「人気があって引っ張りだこな女の子をボトル代をしぶるようなお客の席につけている場合じゃない」というのがお店側の本音です。ハウスボトルの席に人気嬢がつくことはあまり期待できないと思っておいた方が良いでしょう。
その③イベント時には“抜きもの”が必須
バレンタインやバースデー、お店の周年など特別なイベントの際には“抜きもの”を注文するのが暗黙のルールです。抜きものとは、シャンパンやワインなど、コルクのついている飲み物のことを指します。もちろん、特別なイベントの際に限らず、シャンパンやワインを注文していただけるのは大変嬉しいものです。
いつでも何度でも嬉しいのがシャンパンやワインですが、イベント時にはこれが必須になります。イベントを開催して、1円でも多く売上を作ろうと必死になっているところに、素飲み(シャンパンなどの追加料金をかけずにセット料金内だけで遊ぶこと)のおじさんが居座ってしまうと、お店としてはガッカリです。
セット料金以外は払いたくない!という方はイベント時の来店は避けましょう。
その④ご馳走されっぱなしはご法度

キャバ嬢にご馳走になったシャンパンやワインはスグに飲み干して、お礼のシャンパン、もしくはワインを注文するのがスマートなオトナの男ってもんです。
「新手のカツアゲか?」と思われるかもしれませんが、飲み屋さんというのはそういう場です。
その⑤持ち込み料金は割高になるケースも
お店にウイスキーやブランデーのボトルを持ち込む際には、持ち込み料金の支払いをお願いされることが多いでしょう。「持ち込みで飲めばお得かな」「原価価格で飲めるかな」という下心は持たない方がガッカリせずに済みそうです。
持ち込み料金は原価分のところもあれば、一律料金が設けられているところもあり、お店によってまちまちです。
番外編:紹介者のボトルを飲む際の注意点

しかし、キャバ嬢としては当然ドン引きですし、ボトルを飲み干されたお知り合いには縁を切られても仕方ないレベルの不義理です。「どうしてもお金が無くてボトル代を払えない」などの理由があったとしても、おすすめできる行いではありません。
お酒代はその場を楽しむための最低限のコスト
今回は、「知らないと恥をかく キャバクラのお酒に関する暗黙のルール」について解説しました。お酒代はその場を楽しむためにかかる最低限のコストだと割り切っておくと良いでしょう。
駅から徒歩約20分の外階段ボロアパートに住む低収入おじさんたちはそもそもお呼びじゃないというか、家で飲めばいいと思います。
<文/みずえちゃん>
【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989