ラブホテルは、「誰とも顔を合わせずに済む」というイメージを抱く人も多い。しかし、そのような構造やシステムになっていないラブホテルも存在する。
そんななかで、予想外の人物と遭遇してしまうケースも……。今回は、ラブホテルを利用し、気まずい経験をした人のエピソードを紹介する。
ラブホデビューは一生触れてはいけない経験
実家で両親と暮らしていた頃に、年上の彼氏と交際をスタートさせた加嶋奈緒美さん(仮名・30代)。両親は、彼氏に対して根掘り葉掘り聞いてくるタイプだそうで、加嶋さんにとって思春期の恋愛話をするのが恥ずかしかったという。「自宅に彼氏を連れていくと、両親による質問攻めにあって困らせてしまうので、デートは必ず外に行くようにしていました。彼氏も実家住まいで、2人きりになかなかなれなかったんです」
ある日彼氏から、「ラブホテル行ってみない?」と提案があった。それが、加嶋さんにとってのラブホデビューになったそうだ。
「私の地元は、かなりの田舎で、もはや心霊スポット化しているボロボロのラブホテルが1軒あるだけでした。2人きりになれる場所といえば、そこしかなかったので初めて利用してみようという話になりました」
エレベーターでまさかの人物に遭遇…
「駐車場が丸見えだったので、車バレしないようにタクシーで行きました。イルミネーションを意識したような電飾が入口にあり、『古びているのにこだわってるなぁ』と思った記憶があります」彼氏と密室で過ごすのが初めてだった加嶋さんは、ドキドキが最高潮に達していたという。部屋を選び、エレベーターに乗って移動するのだが、扉が開いた瞬間……。
「エレベーターから降りてきたのは、私の両親だったんです!」
昭和感漂うラブホテルは、行き帰り兼用のエレベーターが1つしかなかった。まさかの両親との遭遇に唖然。
あまりの衝撃に何もできないまま1泊

その後、両親とは気まずい期間が続いた。会話はほとんどできなかったという。
「母は度々、父に向って『お父さんと結婚しなきゃよかった』とか、『お父さん嫌い』と言っていたので、まさかラブホで遭遇するなんて思わないですよね。今は笑い話ですが、数年前までは本当に触れてはいけない感じでした」
それ以来、そのラブホテルは利用していないそうだが、令和になっても営業を続けている。“他にも同じハプニングに遭遇している人は絶対にいる”と、加嶋さんは思っている。
<取材・文/資産もとお>