観光ビザで不法就労! 能登の被災地と思われる現場も…
日本政府観光局によると、’24年の訪日観光客数は過去最高の3687万人。’25年1月の訪日外国人旅行者数推計値も、前年比40.6%増の378万1200人となり、2か月連続で単月過去最多数を更新した。日本政府は’30年までに6000万人と目標を掲げており、円安の後押しもあってインバウンド拡大の勢いは日に日に増すばかりだ。
しかし一方で、インバウンドを装って日本で違法行為に及ぶ外国人が増加しているのだ。
その一つが、中国人業者による「解体業」である。WeChatの招待制グループチャットでは昨今、日本での解体作業員を募集する広告が増加し、なかには「旅游签证欢迎(旅行ビザ歓迎)」などの文字も確認できる。
また、中国版インスタグラム「小紅書」でも同様の投稿が’24年2月だけで19件ほど確認された。現場は関東近郊が多く、中には石川県もあった。おそらく能登半島地震被災地関連と思われる。
とある在日中国人は、「中国では不動産バブルが下火になり、失業する建設作業員が増えました。その影響もあり、日本に出稼ぎに来ているのだと思います」と話す。
警戒心をかいくぐって、違法解体現場を直撃!

すると、「仕事はある。
続けて記者が「東京、埼玉、千葉で仕事がしたい」と送ると、「東京・埼玉ならどこでも現場仕事はある」と言う。
記録を残したくないのか、Aは重要な内容はテキストではなく、ボイスメッセージで送りつけてくる。違法行為をしている自覚はあるようだ。

安くない金額に記者がしばし躊躇していると、「もしそっちが仕事ドタキャンしたりしたら俺が現場の担当者に迷惑料を払わないといけないから」と畳みかけてきた。
そして、いつから働けるか聞かれたため「すぐにでも働きたい。3月中旬に帰国して4月にまた日本に来る」と送信。
すると、「今回は仲介料を払ってもらうが4月以降は直接、現場の担当者と連絡を取り合って仕事してくれて構わない。給料も全部自分で受け取ってくれ」と、現場担当者の連絡先を送ってきた。
閑静な住宅街の中に違法解体現場はあった

そのうちの一人の業者Bは、仲介料の要求もなくすんなりと作業現場の写真を送ってきた。
現場は千葉県の総武線沿いの閑静な住宅街。
当然、志願はせずに向かうと、作業員の姿はなかったものの、更地となった場所にショベルカー、ポリタンク、ホース、木版、粉砕されたコンクリート片などが無造作に放置されていた。
また、解体作業での失敗だろうか、現場横の公道上では排水溝を覆うコンクリート蓋の一部が破壊され穴が開いていた。
「公共物まで破損されたが、修繕してくれるか不明」

「外国人も働いていましたよ。解体って本当は1週間くらいで終わるはずなのに、もう1か月くらいかかってます。いろんな現場をかけ持っていて、ついでにここもやってる感じがしますね。作業も雑で、境界線をはみ出して排水溝のコンクリートまで壊してしまっている。これは公共物なのに、ちゃんと修繕するのかも説明がありませんでした」
同住民によると、解体には日本の某大手デベロッパーも関わっているという。当該企業は、違法解体業者が下請けをしている事実を把握しているのだろうか……。
早く対策を打たなければ、日本中が不法就労の外国人で溢れ返る日が来てしまいそうだ。
取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
―[[インバウンドで違法行為]一斉捜査!]―