コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。

 今回はコンビニ店員が客などに対してイラっとすることを書いていきたい。

 テレビを観ていてタレントなどが「コンビニのバイトぐらい安いお金だよ」とか「コンビニぐらいしか仕事ができない」とか、まるでコンビニ店員をバカにしたような発言が耳に入ってくることもあるが、現在はバイトでも業務内容が複雑化&多岐にわたるため、面接に来ても採用される確率は顕著に低くなっていると感じる。本部の社員と話していても誰でもできる仕事などではないと再認識している。

①外からゴミだけを持ち込む人

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 筆者の働いている店舗では今年から再び店内にごみ箱を設置したのだが、通常のゴミと「缶・瓶・ペットボトル」の二つに分別するようになっていて、「必ず指定の場所に入れてください」と「外からの持ち込みのゴミはご遠慮ください」と注意書きされている。

 しかし、このゴミ箱設置は失敗だったかもしれない。

 お客さんがしっかりルールを守ってくれれば今後もずっと利用してもらう予定だったが、店外から平気でゴミを持ち込むし、何も買わずに捨てるだけの人も多い。

「缶・瓶・ペットボトル」のゴミ箱は、500ミリリットルのペットボトルの大きさの穴に入れるのだが、変な音がするなと思ったら、若い男が2リットルのペットボトルを無理やり押し込んでいた。

 うちの店で購入したものではない。外からそれを持ち込み、他のお客さんがこれ以上入れられないぐらいに穴を塞いでしまった。

 その後、男は断りもなくトイレを使い、スタッフの視線に気が付いて気まずくなったのか、しばらく店内で商品を選ぶふりをして、いつのまにか出て行ってしまった。

中身が入ったカフェのカップも

 これには頭にきた。

 どこかのカフェで購入したコーヒーのカップが、そのままゴミ箱に放り込まれることもたまにある。筆者がそれを捨てようとすると、中身がまだ半分も入っているではないか! 

 ゴミ袋は一般家庭で使用しているものと同じだが、中が濡れてしまって悲惨だ。

 本人は注意書きが目に入らず、何も考えずにそのような行為をしていると思うが、当然、ゴミは購入した店で捨てるようにしてもらいたい。
もちろん、うちの店で購入したものは捨ててOKだ。

 店長に報告したが、スタッフと店側の負担が増えるだけでプラスにならないので、夏を迎えるまでにゴミ箱を再び撤去することを考えている。

②トイレを無断で使用する人

 
 トイレの貸し出しも最近復活したのだが、これも再び利用不可にするかもしれない。

 ドアには「使用される方はスタッフに一言お声がけください」と書いてあるが、実際に断ってくるのは30%ぐらいだろうか。黙って使う場合でも常連客やトイレ使用前後に商品を購入してくれるならばいいが、一見さんが無断で使用&そのまま店を出ていくのは最低だ。

 そういう人たちをスタッフが見ていると、人間の心理は面白いもので、トイレから出た後は、そのまま店を出るのではなく、なにかしら商品を選ぶふりをしてワンクッション入れるなど、少しの間は店内にいる。

 いちおう罪悪感があるのか、“自分はお客さんですよ”とアピールしているのだろうか。

 しかしベテランのスタッフからすれば、買う意思があるか否かは、その動作ですぐにわかるものだ。

女性3人組が長時間にわたって占領

 土日・祭日の昼間には若い女性3人組とかがトイレ目的でやってくるが、スタッフたちはみんなイラっとしている。

 当たり前のように黙って使うのだが、順番に利用するので時間がかかる。そして彼女たちは何も買おうとも選ぼうともしないで話しながらそのまま帰る。人としてそれでいいのか? 

 彼女たちが占領している間は、お客さんやスタッフがトイレを使用できなくなる。スタッフはみんな見ているので、かなり不快に思っているので、この調子だと、トイレを使用禁止にする日もそんなに遠くないと思う。

 ゴミ箱とトイレの件は、店としても対策を立てないわけにはいかない。
常識的なお客さんにとっては不便になってしまうので非常に残念だ。

③勝手に電気ポットのお湯を使う人

 

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カップラーメンを選ぶ手
 コンビニに置かれている電気ポットは、店でカップ麺などを購入したお客さんと店のスタッフが使うためにある。もしも関係ない人が勝手に利用しようとしたら当たり前だがお断りする。

 先週の夕方、仕事歴が浅く若い男性スタッフの宮崎君と筆者の2人でシフトに入っていた。

 18時半頃、店内は忙しくなった。すると、今まで見たことのない中年男性が目に入った。手には商品を持っているようだが、こっちも忙しい。筆者と目があったので「いらっしゃいませ」と声をかけると、なぜか避けるように宮崎君のレジに向かった。

 男は宮崎君に何かを言うと、カップ麺にお湯を注いだ。宮崎君はレジ打ちはしてないようだし、様子がおかしい。筆者は接客中だったので、なにも対処ができなかったが、落ち着いてから宮崎君に話を聞いた。

「あの客と話していたけどどうしたの?」
「いきなりレシートを見せながら『さっき、ここでこのカップ麺を買ったのでお湯を入れさせてくれ』と言ってきたんですよ」

「それで、そのレシートを確かめたの?」
「いや、忙しかったし、まあいいかと」

 この場合は本来なら絶対にレシートを確認しないといけない。今後同じようなことがあったら、しっかりと確認するように注意した。


怒りよりも悲しい気持ち

 この男は何者なのか?

 カップ麺の棚を調べても減っていない。購入履歴を確認してみるが、うちの店では何も買っていなかったのだ。つまり、お湯泥棒というわけだ。

 せめて他の商品を買ってくれれば、お湯ぐらいは目をつぶるのだが……。

 おそらく雰囲気的に筆者が店長っぽく見えて、びびってしまって若者の宮崎君のレジで嘘をついたのだろう。一瞬イラっとしたが、すぐに悲しい気持ちになったのだった。

<文/浜カツトシ>
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