SNSで“奇跡の66歳”と話題、ロックバンド「打首獄門同好会」ベースのjunkoさん。細身の体型にサラサラの金髪ロングが印象的だ。
そんな彼女が自身の誕生日である2024年12月20日に「66歳になったよ」とXにポストすると、たちまち拡散。「本当に60代?」と驚きの声が多数上がった。
 バンドでは年齢を感じさせない圧巻のライブパフォーマンスを見せるjunkoさん。いつまでも若々しくいられる秘訣とは? 彼女が歩んできた人生から探ってみたい。

バンド活動を続けるために、あえて正社員を選ばずに…

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 junkoさんは大学の教育学部を卒業して教員免許を持ち、「60歳まではバンドをやりながら、OLとして勤めていました」と話す。

「スキな人がその大学を受験すると聞いて、私も受けたんですが、入学してみたらその人がいなかった。大学やめることも考えたけど、とりあえず在籍しながら軽音部にばっかり入り浸ってました」

 同級生の9割が教師を目指す環境のなかで「教師は向いていない」と普通に就職活動をして就活生から人気の有名企業から内定をもらうが、それも蹴ってしまう。

 彼女は、バンド活動をするために正社員として働く選択を捨てたのだ。

「別に『バンドで食べていく!』なんて強い意思はありませんでしたがバンド活動をするためには、就職していると少し不便かなぁと。親をあてにせず生活費を稼ぐため、バンド活動に支障がない仕事をすることにしました」

唯一のポリシーは「嫌なことをしない」

「本当に60代?」SNSで“奇跡の66歳”と話題の女性を直撃。唯一のポリシーは「嫌なことをしない」
インタビューの様子
 派遣社員や契約社員だけではなく、色々なアルバイトをしてきたと話すjunkoさんだが、唯一のポリシーは「嫌なことはしない」だという。

「普通はみんな将来のこととか考えて、頑張って仕事を続けるんでしょうけど、私は何事もやってみて『嫌だったら辞める。辞めてもどうにかなる!』というスタンスでした。

 別にバンドしながら働いていても『早くここを抜け出したい!』なんてことも思わず、常に『なるようになる』と思って生きてきました」

 Junkoさんは自身を「鈍感」だというが「鈍感だから良かったのかも……」と笑う。

「今は繊細に生きている人が多すぎると思います。
繊細すぎると、生きにくいんじゃないかなあと、他人事ながら心配になりますね。ちなみに私は、父が亡くなる直前、『もっとちゃんとした人生を生きて欲しかった』と言われました(笑)。確かに、好きなことしかしてこなかったからなぁ」

 junkoさんは独身。周囲から結婚や出産を急かすような“圧” を感じたこともあったというが……。

「親と弟夫婦が理想すぎて、逆に『私には無理だな』と早い段階で結婚を諦めていました。そもそも結婚願望がなくて自分の時間は自分のために全て使いたい。世間の“圧”なんか気にしなくても自分がしたくなかったらしなくていいんじゃないかな」

 こういった考え方がJunkoさんが若々しくいられる秘訣なのかもしれない。

メンバーに実年齢を伝えた際の裏話

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2024年で結成20周年を迎えた「打首獄門同好会」(提供写真)
 ロックバンド「打首獄門同好会」にサポートメンバーとして加入して18年が経つというが「最初の2年間はメンバーにも年齢を伝えていなかった」んだとか。

「別に隠していたわけではないけど、あえて言わずに2年が経った時、今の所属事務所との専属契約の話が持ち上がったんです」

 専属契約をするとなれば、契約書が必須だ。junkoさんは当時40代後半。実年齢を言ったら「クビになるかも……」という不安もあったが意を決してメンバーに年齢を伝えることにした。

「その頃、メンバー2人は20代だったんですが『私のことを少し年上の30代くらいに思っているな』っていうのが肌感覚でわかっていたんです。まずはドラムの河本あす香に伝えたんですが、『嘘でしょ!』『嘘でしょ!』って、ずっと信じてもらえませんでした」

 次はリーダーであるギター&ヴォーカルの大澤敦史さんに、リハーサルの帰りに「話がある」と話を切り出したそうだ。


「そこで『あす香には言ったんだけどね、私、アラサーじゃないんだよ。アラフォーでもない。もうアラフィフ、50歳近いんだよ』って暴露したんです……すると、まさかの大爆笑。

 リーダーは深刻な様子に『もしかして脱退したいのかも?』と心配していたようで(笑)。あす香同様、気にならなかったようでクビにもならず、今日まで至ります」

 そして、無事に専属契約を済ませた。

ファンの反応「すっごく驚いてくれました」

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junko
 junkoさんが年齢を公表したのは6年前の自身のバースデーライブ。公表のキッカケになったのは、「マキシマム ザ ホルモン」ドラムのナヲさんだったという。

「ナヲさんと仕事でご一緒したときに『いくつなの?』って聞かれて、ナヲさんには嘘をつけず、正直に『今年60歳の還暦です』と答えたら『絶対に公表しなよ!』って言ってもらえて」

 その場にいたメンバーと事務所のスタッフは、速攻でjunkoさんのバースデーライブを決定し、ライブハウスを抑えたそうだ。

 ファンの人に実年齢を公表することに抵抗はなかったんだろうか?

「抵抗は特になかったです。ファン以外にも、友人にも本当の年齢をわざわざ言ってなかったから『一気に発表できて良かった』って思いました」

 還暦であることを公表すると「ファンはすっごく驚いてくれました」。そこから環境が「劇的に変わった」というのだ。

何歳になっても「ベースを弾きながらステージを走り回っていたい」

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ライブ中のjunkoさん(提供写真)
「今までは『打首獄門同好会』のいちメンバーでしかなかったけど、このインタビューもそうですが、私1人に仕事がくることなんて今までなかったから相当人生が変わりました」

 今回のような人生に関するテーマの取材や美容・サプリの案件なんかもきたのだとか。

「美容系の話は、普段私が何の特別なケアもしていないことを知っているスタッフからNG出されてました(笑)。
サプリも面倒くさがりの私が継続して飲めるわけないってファンの方々も見破っちゃうと思ったので丁重にお断りました」

 最後に今後の展望について聞いてみると「とくに……」という反応。junkoさんは、あくまでマイペースを貫く。

「強いて言うなら、ベースを“今のスタイル”のままずっと弾いていたいな。座ったりすれば何歳になってもベースを弾き続けることはできるでしょう。けど、そうじゃなくて。今みたいにベースを弾きながらステージを走り回っていたいです!」

<取材・文・撮影(インタビュー)/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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