1日1~2時間しか働かない沖縄での新生活
カイトさんは現在、沖縄県の北部で妻ともうじき1歳になる愛娘、犬や猫とともに、午前中だけ1~2時間働いて、午後は野球や散歩などを楽しむ悠々自適な生活を送っている。「東京で暮らしていたときは、大学を卒業後に就職した会社で営業の仕事を9年ほどしていました。順調に出世することができ、30歳前後で管理職になって年収は740万円ほどいただいていましたが、会社とクライアントの板挟みなる環境に嫌気が差してしまって……。仕事を辞めたいという気持ちがどんどん強くなりました」
そこでカイトさんは一念発起。副業で始めたインスタグラムのアフィリエイトを軌道に乗せて、現在は広告収入とスクール事業の2本柱で生計を立てている。
「メインのインスタグラムには約23万人のフォロワーがいて、月収はトータルで400万円から450万円ほどになります。1日の就業時間は、平均すると1~2時間程度。仕事は午前中に片付けてしまい、昼からは自由に過ごすことが多いですね」
度重なる副業の失敗で損失は数百万円に
脱サラに成功したカイトさんだが、「副業を始めたころは失敗の連続でどん底だった」と振り返る。「会社員時代は業績がよかったので、副業もうまくいくと高を括っていました。新型コロナウイルスが流行し始めた2020年頃から時間に余裕ができたので、はやりの副業はひと通りやってみましたね。独学でメルカリの物販、UberEATSの配達員、YouTube、FX、趣味が高じて書道教室やパーソナルトレーナーにもチャレンジしてみましたが、ことごとく失敗しました(笑)」
さらなる不幸がカイトさんを襲う。
「僕が副業にチャレンジしている間に、妻が2度も流産してしまって……。僕が副業の失敗で出してしまった損失は数百万円をこえていたので、本気で取り組まないとヤバいと考えました」
追い詰められたからこそ逆転の発想で掴んだチャンス

「会社員時代の業績がよかったので、これまでは自分を信じていろいろな副業に挑戦してみましたが、すべて失敗したことで、逆のことをしなければいけないと考えました。
これまではほとんど独学で副業を初めていましたが、とあるスクールにも入りました。そこで僕よりも歳下なのに稼いでいる人たちを見て、自分がいかに小さなプライドにしがみついていたのか、気づくことができました」
カイトさんはこれまで大好きだったお酒やテレビを断ち、インスタグラムの運営に尽力していく。
「結果が出始めたのは、インスタグラムの運用を初めて3か月目のことでした。美容関係のアカウントで収益化に成功し、半年後には月の広告収入が100万円を超えました。すでにインスタグラムをバズらせる感覚が掴めるようになっていましたし、以前に増して会社を辞めたい気持ちが強くなっていたので、妻の希望で沖縄に移住することを決めましたね」
成功を掴むにはマインドを変えることも大事
こうして2022年にスタートした沖縄生活は3年目を迎えた。念願だった長女が誕生し、カイトさんの移住生活はますます充実している。「メインのインスタグラムの運営を妻に任せて、僕はほかのアカウントを伸ばしたり、スクール事業にも力を入れたりしています。空いた時間は、近所の学生たちといっしょに野球を楽しんだり、ママ友にインスタグラムのアフィリエイトのやり方を教えたりすることもあります。
今でこそのんびり過ごしていますが、会社員時代の僕は完璧主義者でストイックに働いていました。でも、それで失敗してしまったので、肩の力を抜いて1日1日を楽しむことにしています。誰しもこれまでの成功体験にしがみがちですが、それでもうまくいかないときは、苦手なことにもチャレンジするなど、逆のことをしてみるのがいいと思います」