管理組合の横領発覚!
鈴木彰人さん(仮名・48歳)会社経営都内の高級タワーマンションに住む鈴木彰人さん(仮名)。豪華な物件だが、彼は現在、相次ぐ管理組合の横領発覚に頭を抱えている。
「入居審査は厳しく、住民は経営者や医師など富裕層ばかり。それなのに5年前に理事長が、2年前には会計責任者が横領に手を染め、解任されました。理事長は複数の見積もりを取り、実際は安いほうで発注したのに、高くかかったように見せかけ差額を懐に入れていたようです。会計責任者のほうは、まだ係争中のため詳細な手口はわかっていません」
住民の不信感は限界に…
鈴木さんは「管理会社への委託から住民主体の自主管理に切り替えたのが、そもそもの汚職がはびこる原因だった」と振り返る。「コスト削減が目的でしたが、管理組合には毎月数百万円規模の管理費や修繕積立金が入ってきます。それに目が眩んだのでしょう。結局、管理を専門会社に再委託しました。その結果、管理費は大幅に値上がり。それでも住民同士で疑い合うよりはマシなのかも……」
高齢化する管理組合で、老人の意見しか通らない
西牟田順子さん(仮名・54歳)会社員「あれは理事会じゃなくて、常連しかいない場末のスナックです」
築50年の千葉県のマンションで暮らす西牟田順子さん(仮名)は、管理組合をそう皮肉る。
「理事会の平均年齢は70歳超え。昔からの顔なじみばかりで、何を提案しても『必要ない』『昔からこう』の一点張り。耐震補強が必要と診断されても『お金がない』と先送り。
老朽化も「建て替え中に死んだら損」
判断基準はすべて“高齢者目線”だ。「『来訪者は17時以降に来ない』と決めつけ、オートロックを施錠。住民は部屋から解錠できない仕組みで、宅配業者から『入れません』と電話が来ることもしょっちゅう。建物は老朽化が進むのに、理事たちは『建て替え中に死んだら損』と話し合いすらしません」
これはもはや管理ではなく“暴走”。理事たちが守っているのは自分らの“昭和の城”だ。
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[マンション管理組合]の暴走]―