出会いと別れの春に突入し、職場学校、住む場所、環境が変わった人も多いのではないでしょうか。初対面での機会が増えるタイミングでくしゃみ鼻水まみれじゃ嫌ですよね。今回は薬を飲む以外でできる花粉症対策を考えていきましょう。
花粉症のメカニズム

主な症状としては目のかゆみや充血、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどがあります。症状には個人差があり、同じ量のアレルゲンが体内に入り込んでも、症状が出る人と出ない人とに分かれます。
毎年花粉のシーズンになると同じ症状を繰り返してしまうのは、このような細胞とアレルゲンの反応が繰り返されるからです。
東洋医学的には、私たちの体は「気・血・水」という3つの要素で構成されていると考えます。これらのバランスが崩れると、体の不調が現れるとされ、花粉症の場合、特に「肺」「脾」「腎」という3つの臓腑の機能低下が関わっていると考えられています。
◇肺: 呼吸器系を司り、外邪(花粉)の侵入を防ぐバリア機能
◇脾: 消化器系を司り、体内の水分代謝
◇腎: 免疫系やホルモンバランスを司る
これらの機能が低下すると、体内の水分バランスが乱れ、鼻水やくしゃみといった症状が現れるのです。
例えば…
◇くしゃみ、鼻水が止まらない → 肺の機能低下
◇鼻づまり、消化不良も感じる → 脾の機能低下
◇目のかゆみ、涙目、肌荒れもひどい → 腎の機能低下
といった具合です。では、どうしていくか。体のバランスを整えることを重視しましょう。
①ツボで「気・血・水」の巡りを整える
体のツボを刺激することで、気・血・水の流れを整え、体のバランスを調整する施術法です。花粉症の場合、肺や脾、腎の機能を高めるツボを刺激することで、症状の緩和が期待できます。例えば…
◇肺の機能を高めるツボ:肺兪(はいゆ)、中府(ちゅうふ)
◇脾の機能を高めるツボ:脾兪(ひゆ)、足三里(あしさんり)
◇腎の機能を高めるツボ:腎兪(じんゆ)、太谿(たいけい)
これらのツボを一日数回意識的に刺激することで、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状を緩和することが期待できます。
2. 漢方薬で体質から改善する
漢方薬は、生薬を組み合わせたもので、体質に合わせて処方することで、体の内側から改善を目指します。花粉症の場合、肺や脾、腎の機能を高める漢方薬や、アレルギー反応を抑える漢方薬などが用いられます。例えば…
◇小青竜湯(しょうせいりゅうとう):鼻水、くしゃみに
◇葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい):鼻づまりに
◇辛夷清肺湯(しんいせいはいとう):鼻づまり、蓄膿症に
これらの漢方薬は、症状や体質に合わせて使い分けることで、より高い効果が期待できます。
③食事療法で体の内側からケアする

例えば……
◇消化のいい食材:豆腐、おかゆ、納豆など
◇体を温める食材:生姜、ネギ、ニラ、かぼちゃなど
◇水分代謝を助ける食材:ハト麦、あずき、きゅうり、バナナなど
これらの食材を積極的に摂り、冷たいものや甘いもの、油っこいものなどは控えるようにしましょう。
④生活習慣を見直して免疫力を高める
睡眠不足やストレス、過労などは、免疫力を低下させ、花粉症の症状を悪化させる原因となります。十分な睡眠をとり、ストレスを解消し、適度な運動を心がけるようにしましょう。もしあなたが…
◇「毎年、花粉症の時期は憂鬱…」
◇「薬に頼りたくない…」
◇「体質から改善したい…」
と思っているなら、まず実はやめるべきは寝る前のスマホからかも知れません。
最近ではスマートフォンやパソコンからでるブルーライトのような人口照明を浴びる時間が長い人はアレルギー性鼻炎になりやすいという報告もあり、さらに睡眠を浅くするとの報告もあるので寝る前にスマホを近くに置かないのを心掛けたいですね。
近年、花粉症は増加傾向にあり、国民病とも言われています。先日、Instagramでコラムテーマを応募した時も花粉症対策の希望が多く、皆さんがこの症状に悩まされていることを実感しています、この記事を読んで、少しでも多くの方が花粉を気にしない春を送れますように。
【shuhei】
柔道整復師(国家資格)。5万人以上の施術経験、大相撲、女子ゴルフ、ラグビー、アーティストライブサポートなどのトレーナーを担当。現在は表参道、上野で著名人来院多数の店舗を構え、温熱施術を中心とするベストリ式温熱整体を考案し、腰痛肩コリのみならず冷え性、睡眠障害、姿勢の調整をおこなっている