ゴールデンウィークで仕事や学校もお休み、レジャーや旅行を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。だが、その一方で心配されるのが「渋滞」だ。
発進と停止を単調に繰り返す渋滞は、ドライバーの集中力が切れやすくなり、注意しないと大きなアクシデントにも繋がりかねない。都内在住の村田崇裕さん(仮名・32歳)は、3年ぶりに行動制限のなかった昨年のゴールデンウィークに、友人たちとバーベキューに出かけた。
その帰り道、渋滞中に起こった「ありえないアクシデント」について語ってくれた。
バーベキューの帰り道に大渋滞

帰り道、ハルカさんは行きと同じように助手席に乗ると言った。だが、村田さんは彼女を気遣い、フラットシートになる後部座席で休んでもらうことにしたという。
車が出発すると、運転手の村田さん以外はお酒を飲んでいたこともあり、すぐに眠ってしまった。村田さんはなるべく、急いで帰ろうとしたが、運悪く渋滞にはまってしまったのだ。
途中でパーキングエリアへ
「恐らく、僕たちと同じようにレジャー帰りの人が一斉に都内へと向かっていたんでしょうね。帰り道、ずっとノロノロと走る羽目になり、さすがの僕も疲れがピークに達してきました。そのうち、トイレにも行きたくなり、やっとの思いで近くのサービスエリアに駆け込みました。サービスエリアの入口には車が列を作るほど混雑していた。しかし、村田さんが車に戻るとき、出口は少し空いていた。すぐに車を出したほうがいいと判断した村田さんは、慌てて車に戻った。
「すぐに発進して高速に乗ると、渋滞もだいぶ解消されていたので車を走らせました。それから20分ほど走った頃ですかね。友達の1人が目を覚まして『あれ……ハルカは⁉』と急に叫んだんです」
後部座席にいたはずの彼女が…

「ハルカは後ろの席にいたはずなのに、忽然といなくなっていたんです。全員で『ハルカがいない!』と大騒ぎしていると、1人の友人がスマホを見ながら『ハルカ、サービスエリアにいるみたい……』と青ざめた顔で言ってきました。僕のスマホを友人に確認してもらうと、ハルカからの着信が山のように入っていて血の気が引きましたね……」
後にハルカさんから聞いた話によると、村田さんがサービスエリアでみんなに声を掛けたときに、ハルカさんは目を覚ましていたとか。
スマホには彼女からの着信の嵐
「ハルカはすぐに僕に電話をしたのですが、まったく気が付かなかったんです……。すぐに高速を降りて迎えに行きましたが、ハルカには『わざと置いていかれたのかと思った』と大泣きされました。友人にも『彼女を置いていくとかナイわ……』と散々、責められましたね。もちろん、確認しなかった僕も悪いのですが、みんなも寝てて起きるまでハルカの連絡に気付かなかったじゃん……と、なんとも言えない気持ちになりましたね」その後、しっかりと反省をした村田さん。ハルカさんにはしばらく文句を言われたというが、「今では笑い話になりました」と話す。
さいわい村田さんは許してもらえたが、最悪の場合は別れにもつながりかねない。渋滞時は集中力が切れやすくなると言っても、うっかりでは済まされない忘れ物にはくれぐれも注意を払うべきだろう。
<取材・文/結城>