Snow Manの1つの集大成となるライブを終えた直後、「なぜSnow Manがここまで大きくなれたのか?」と聞かれてリーダーの岩本照はそう答えた。
4月19日、アイドルグループ・Snow Manの初となるスタジアムライブ「Snow Man 1st Stadium Live~Snow World~ 」が東京・国立競技場(19日~20日)に開催された。
会場には7万人のファンが9人の登場を待ちわびた。オープニング映像でメンバーの名前が大型モニターに表示されるたび、観客が沸く。そして、幅140mのメインステージが開き、ピンクとゴールドの衣装に身を包んだ9人が現われると、地鳴りのような歓声に包まれ、「いくぞ、国立!」というシャウトで開幕した。
序盤から外周花道からセンターステージまで使いながら、迫力のステージング。彼らを一躍有名にした代表曲「ブラザービート」の歌い出しで、9人それぞれの表情がメインステージのモニターに映し出されると、ファンの熱気も上昇していく。「あいことば」では2階スタンド席に設置されたスタンドステージに駆け上がり、10台の外周ムービングステージで「HELLO HELLO」をパフォーマンス。楽曲とリンクするように高さ20メートルの噴水が爽やかな世界観を作り出した。「Grandeur」ではスパークラー、ファイヤボール、フォールなどの特効と9人のダンスを披露して観客の度肝を抜いた。

デビューから5年。今年1月にリリースされたSnow Man初のベストアルバム「THE BEST 2020 - 2025」は発売初日でミリオンセラーを突破。しかし、メンバーの増員やコロナ禍での活動など、その成功を摑むまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。ラストの挨拶で目黒は、「数年前はこうして国立のステージに立てることは考えられなかったですし、それでもSnow Manが……」と涙声に。手で涙を拭って前を向くと、「こうしてSnow Manが国立のステージに立てていることは周りのみなさんの支えがあって、僕たちはこのような景色が見られて一緒の時間が過ごせていると思います。ファンの皆さん、スタッフの皆さんに心から感謝したいと思います。綺麗な景色と時間を過ごさせていただいてありがとうございました」と頭を下げた。

終演後の記者会見では、今回のスタジアム公演の監修を嵐の松本潤に依頼したことが明かされた。ラウールは、「嵐さんは何度も国立のステージに立たれていて、その演出をずっと松本くんがされていて。お願いしたら快く受けてくれて、今回はすごく勉強になりました」とメンバー全員で直談判した経緯を話した。
あらゆるライブ会場を知り尽くした松本だからこその助言も多かったそう。渡辺は「『いつもの渡辺の煽りのトーンだとドームではいいけど、国立だと聞こえにくいかもしれない。だから声のトーンを1つ下げて喋ってみたら?』っていう声色ひとつまで監修していただいた」と話すと、阿部も「純くんが監修するにあたって、Snow Manの全楽曲を聴き込んでくれて。その中から『この盛り上げパートはこういう選曲はどう?』ってアドバイスいただいたので、たくさんの愛を受け取ることができました」と感激していた。
そんななか、深澤が「今日の本番前も楽屋で最終確認したあとに、背を向けて手を上げながら『じゃあ頑張って』って」とモノマネを披露。向井も「あれはカッコよかったわ~(笑)」と悪ノリでかぶせ始めると、ほかのメンバーが「やめなさい!」とツッコんだ。

冒頭で、リーダーの岩本はSnow Manが躍進できた理由に、「この9人だったから」と答えた。その言葉を頷きながら聞いていたラウールは、「シンプルに仲がいい。もちろん喧嘩もたくさんありますけど、ラッキーなことにビジネスパートナーというより仲の良い友達が仕事仲間ということが非常に居心地いいんですよ」と話す。佐久間も、「お互いに良いものを作ろうというアイデアを出してるんで、基本的に否定がない。プラスして意見を重ねていくので、それがSnow Manの強みかなと思います」と力を込めた。
お互いをリスペクトしながら、目の前にある挑戦を全力で楽しむ。そんな9人が次はどんな景色を見せてくれるのか期待したい。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧