リリースに先駆けて全員インタビューを敢行し、表題曲の歌詞やMVから、13年目を迎えてファンからの応援パワーを感じる瞬間までを聞いた。アイドル活動13年目にして、脚線美が際立つミニスカート衣装で「アイドル万歳!」と歌う彼女たちの心意気を聞いていきたい。
MV100万回再生の表題曲で久保田未夢が復活してほしいもの
――表題曲「ビバ☆アイドル!」のなかで、それぞれの好きなパートとその理由を教えてください。茜屋:私は〈脳が処理する前にほら! 叫んじゃうような トキメキあげちゃうぞっ〉っていうパートですね。自分も、いちオタクであるときは頭で考える前に叫んでるなって思うから。この歌詞を見たときに、i☆Risのオタクたちが叫んでるところを想像したらちょっとおもしろくて、ふふって笑っちゃいましたね。
山北:〈後輩も増えて 先輩感?不得手… 貫禄ってなにそれ? まだまだ旬です!〉。これを最年長のリーダー(自分)が歌ってるグループ、マジでいいなって思いますね。レコーディングでも、「ここはさきさまですよね」って感じで歌って、いい雰囲気だったと思います。
「生涯アイドルをしたい」っていう歌詞もあって、ウソはつきたくないというプレッシャーもありながら、2025年4月現在は心からそう思っているということで、楽しく歌いました。

若井:〈“かわいい”もね キレイになったでしょ?〉っていうパートは、これ、私に振られましたかって感じでしたね(笑)。たしかに、周りからは私がいちばん変わったってよく言われるんです。自分ではあんまりピンとこないけど、このパートを私にくれたってことは、ギャップが出てきたのかなと。デビュー当時から比べると私も大人になれたんやなってうれしくなりました。
そういえばTikTokでi☆Risのライブ映像が流れてきたとき、私のことを「このきれいなお姉さんは誰ですか?」ってコメントがあって。子ども扱いされがちだけど、端から見たらお姉さんに見えとったんやな、と。
芹澤:〈ずっと とんとん拍子じゃなくても あい! アイ! 愛があるからね〉ってところは、語感がよくて頭に残る。なにより、13年目のグループが「愛があるから」って歌ってるのが良いなって思います。なんとなく続いてきた感じもあるけど、そんなことはなくて、ちゃんと愛がある。それを軽く言ってるけど、ちゃんと伝えてるのはすごく良いですね。

一同 たしかに!
芹澤:義務教育を超えて。
久保田:大学1年生になっちゃう。
若井:あと少しで20歳や。
山北:わ~成人しちゃう。
――(山北さん、いまの成人年齢は18歳です……!)
ファンの前でこの衣装を着るのはドキドキしちゃう
――表題曲のMV衣装はかわいい雰囲気で、リボンやパールをあしらった美脚が際立つ衣装でした。制作スタッフが「13年目にこの衣装を着てかわいくいられることに意義がある」というお話をしていましたが、みなさんは衣装を着てどんな感想を抱きましたか?茜屋:MV撮影の前日にフィッティングをしたんです。スタイリストさんが私のインスタを参考に「ひみちゃんにはぜひこれを着てほしい」と準備してくれて。自分は普段、ああいう服を着ることはなかったので、正直、衣装を見た瞬間はこれ行けるかな……? って思ったけど、メイクをして実際に着てみたら、これでがんばってみたいと思って気分が上がりました。

いつも衣装を試着したときに、ここを直してほしいなって部分があるけど、今回はほとんどなくて。メンバーカラーじゃないこともあって、そこも新鮮でした。
若井:身長が小さい割に手足が長めで、衣装選びに苦戦することが多いんです。でも、今回は私の好きそうな衣装をかき集めてくれて、似合う形にしてくれました。いままで水色を着ることはなかったけど、絶対にうまく着こなせるからって感じで選んでくれて。アームウォーマーとか私の好きが集まった感じでした。でもみんなと並んでみたら、ほかのメンバーが長袖のなか、私だけノースリーブでちょっと恥ずかしかったです(笑)
久保田:私もスタイリストさんから「これを着てほしい」と持ってきてもらった衣装を見て、絶対に違うと思ったんですよ。足が出てる、自分が絶対に選ばないような洋服だったので、絶対に似合わないと思った。でも着てみたら、意外といけるかもと思って。
どうせこの衣装を着るなら、ぶりぶりのかわいい感じにしたいと思って、衣装と髪にもリボンを散りばめてもらいました。自分にとってもすごく新鮮な感じになったと思います。

人生を一緒にがんばるパートナー

芹澤:私はソロ活動もアイドル活動だと思っていて、去年にソロのツアーを回っていたとき、あらためてみんなが応援してくれるパワーを感じることがありました。ソロツアーは昼夜の2回公演で、i☆Risの周年ライブも時期が重なって、声優のお仕事もあって、もう本当に無理……みたいなタイミングもあったんです。でも、ファンに会うとなったらやる気が湧いてくるんです。
SNSでハッシュタグを使って、ファンのみんなが「夜勤明けで来ました」「前々日に前乗りしました」「今週も7連勤。明日はセリコのライブ」みたいな投稿で、みんなの日常を見せてもらえる。それを見ると、どんなときでも、最高のライブで超エンジョイできるようにしなきゃって思います。この前も、成人式を蹴って袴で「Anime Japan 2025」に来てくれた子もいたんですよ。
山北:友達は少ないタイプだけど、意外とファンにはめちゃくちゃ心を許してるんです。配信をするのも、もはや仕事っていう認識はなくて、義務じゃなくて趣味。最近、みんなに会えてないから配信しようかな~、気づいたら2時間も経ってた、みたいな。
私の日常にファンがいて、みんなもそう思ってくれているのかな。みんなが元気になるような歌を歌ったり、生きる意味をこちらから提示できたら良いなと思って歌詞を書いたりして。
今って独身の方も多いじゃないですか。昔より家族を持つ人が少ないから、推し活がこれだけ流行ってるのかなって思う。私の場合は、推しっていうより、教祖っぽいって言われるけど(笑)。アイドルとオタクっていう境目もあんまりなくて、人生を一緒にがんばるパートナーっていう感覚です。
ファンからパワーを吸い取って生きてる

普段からよく会いに来てくれる人はたくさん話す機会があって覚えてるけど、そうじゃないところでも私のことを応援してくれる人がたくさんいるんだと、あらためて感じた瞬間でした。だって、たとえば1万円を稼ぐのってどれだけ大変か。決して安くないお金をかけて応援してくれるって、本当にすごいことだと思うんですよ。
茜屋:病んでるわけではないんですけど、「自分には何ができるのか、何があるんだろうか」って考えちゃうことが多くて。そんなとき、ファンのみんながSNSのDMやお手紙で、「ひみちゃんにはこんな良いところがあるよ!」「ひみちゃんにこんなふうに助けられてるよ」って長い箇条書きで書いて送ってきてくれるんです。
そういうときに、自分にはアイドルとして存在価値があるんだって安心できる。誰かの力になるならやり続けたいので、みんなのおかげでやってて良かったと思えるし、みんなのためにがんばろうと思います。家族でもそんなことを話さないのに、こんなに親切に日々教えてくれる人たちが周りにいるのって、なんて幸せなんだと思いますね。

去年のライブでも、1曲目の幕が上がる瞬間まではステージにすんと立ってたんですけど、幕が上がってみんなの顔が見えた瞬間、元気とやる気が出る、みたいな(笑)。みんなの前で歌って踊ってるときって、ぜんぜん疲れないんですよね。パワーを吸い取ってるからだと思います。
i☆Risメンバーに出会えてよかった(圧アリ)

芹澤:えー、なんだろう……。
山北:うちらに出会えたこととか?(笑)
芹澤:i☆Risに出会えたことね……(笑)。
久保田:すごいじゃん、それを見出しにしてもらおうよ(笑)。
芹澤:「アイドルをやっててよかったと思うのは、i☆Risに出会えたことです(圧アリ)」みたいな? でも確かに、部活にも入らなかったから、誰かと何かをするのはi☆Risが初めてで。そのおかげでいろいろなことを学んだし、ファンやメンバーとか、人とちゃんと関わって、誰かと何かをがんばれるようになったのは、i☆Risのメンバーになったからっていうのは……あるかも。
――芹澤さんの言葉を受けて、どうですか?
久保田 どう……? あの、この受け答え自体が、すごくアイドルしてるなって思いました(笑)。
山北:きれいな流れ。

山北:だって、最初がi☆Risですからね。
若井:それはたしかに。
久保田:でも、ほかのグループに入ったらこんなに……。
久保田・若井:長く続いてなかったかも。
久保田:もっと大人数とか、個性つよつよなグループだったら、こんなに続いてたかなっていうのはあるかも。このグループだからなんとなく続いてる気がする。
若井:ほんまにそうやなって思います。
【i☆Ris】



















<撮影/長谷英史 尾藤能暢 取材・文/森 ユースケ ヘアメイク/原田琴実 門口明加 藤井まどか>