多くの企業には新社員が入社してきたはずだが、“職場に馴染めない”、“思っていた業務と違った”など、さまざまな理由で、すぐに辞めてしまう人もいる。
 そんななかで、入社して“わずかな期間”で退職した2人のエピソードを紹介する。


「ぜったいに医者と結婚する!」と宣言していた新人看護師


3週間で退職した新人看護師の呆れた目的「“イケメン医師”と結...の画像はこちら >>
 岡本唯さん(仮名・30代)が勤めていた病院では、毎年30名ほどの看護師が入職し、医師も“転勤”を含めて10名ほどが入れ替わるそうだ。

 看護師は20代が中心で、医師も若手が多いため、職場内での結婚もめずらしくはないという。そんななか、新人の看護師Aは「ぜったいに医者と結婚する!」と強い意気込みをもち、周囲にも公言していたそうだ。

「入社初日から4日間行われるオリエンテーションには、合計60名ほどの新人が参加します。Aさんは早速、“イケメン医師”を探していましたね」

 そんな状況でAは、休憩時間を利用して行動を開始。まず外科医に声をかけ、連絡先を交換したようだ。

「私は、『そうか、あの人を狙っているのか』と思っていたのですが、次の休憩では消化器内科の医師とも連絡先を交換していたんです」

 岡本さんは、「うん、なるほどね。複数の医師に同時にアプローチして効率アップを狙っているのか、コスパ重視なのか」と尊敬の念を抱くほどだったと話す。

“玉の輿作戦”は予想外の展開に…


「Aが入って1週間後、早くも“合コン”が開催されていました。Aの目は“獲物を狙う雌ライオン”そのものでしたね」

 Aの最優先目標は、医師と知り合い、結婚すること。合コンには同期の看護師たちも参加していたが、あくまでAの“引き立て役”のような扱いをされていたという。

 合コンは盛り上がり、2次会、3次会へと続いた。そして、AとAに狙われた医師は“2人きり”で夜の街へと消えていったようだ。

 その後もAは何度も合コンを開き、次々と医師たちにアプローチ。
気づけば、Aの“玉の輿計画”は病院内で有名になっていた。

「狙っていた医師が3人もいたと聞きました。どうしてバレないと思ったのか、逆に不思議です」

 そして、わずか3週間後、計画が知れわたったことで気まずくなったAはあっさり退職したというのだ……。

極度の不器用で“できない業務”も


3週間で退職した新人看護師の呆れた目的「“イケメン医師”と結婚したい」夜の街へと消えていき…
ジュエリー
 長谷川加奈子さん(仮名・30代)が勤務していた宝飾店に、Mが入社した。

 新入社員のMは、美人で人当たりもよく、第一印象は抜群。「きっとここで活躍してくれる」と長谷川さんをはじめ、先輩たちも期待していたという。

「でも、残念ながら、Mは仕事ができるとはお世辞にも言えませんでした」

 Mは、アクセサリーやジュエリーなどの宝飾品が好きで、それらを“おしゃれ”に使いこなすセンスこそ優れていたものの、手先が非常に不器用だったそうだ。

 宝飾品では、プレゼント用に商品を購入する人が多く、うつくしい包装が必須スキルだ。しかし、何度教えても、Mが上達する様子は見られず、やる気も感じられなかったようだ。

“ラッピングは先輩とか、得意な人がやればよいじゃないですか?”
“私は接客メインでいきたいと思います”

 当然、Mの言い分が通るはずもなかった。

掃除も苦手「イヤなことはイヤ!」と主張して孤立


 宝飾店の正社員には、接客だけでなくラッピングや店内の清掃といった基本業務も求められる。しかし、Mは掃除などの雑務も苦手で、モップがけを任せても一向にキレイにならなかったそうだ。

「苦手でも、向上心をもって仕事に取り組んでくれるのであれば、私たちも温かい目で見守るつもりでした。
でも、Mさんは“イヤなことはイヤ!”とハッキリ言い切ってしまうタイプだったんです」

 その反抗的な態度が次第に周囲との距離を生み、Mは孤立。結局、入社してわずか1か月で自主退職することになった。

「せっかく美しい外見とセンスに恵まれているからこそ、Mにはもっと素直になって、仕事に取り組んでほしかったと思わずにはいられません」

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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