元メガバンク行員の金融ライター、渡辺智です。筆者はメガバンクに11年間勤めた経験があり、FP1級の知識を活かして5000人以上のお金に関するコンサルを行ってきました。

「年収400万円」で資産1億円は築けるのか? 毎月「2万円」...の画像はこちら >>
富裕層からマス層まで多くの顧客がいましたが、「年収が低く、貯金も少なくて将来が心配」という相談が多かったです。特に現在は物価上昇がすさまじいのでより不安に思われている方も多いはず。でも、安心してください。

実際に年収400万円程度から1億円もの大きな資産を築いた人はたくさんいます。今回は、そのための大きな力となる「S&P500」の積立投資について解説をします。

年収400万円から1億円の資産を築くのは可能なのか?

S&P500とは、アメリカを代表する約500社の企業で構成されている株価指数のことで、過去40年から見ても非常に実績が良いです。

「年収400万円」で資産1億円は築けるのか? 毎月「2万円」長期投資を成功させる4つのポイント
画像は、「TradingView」より
年収400万円の人の手取りはおおよそ300万円から340万円です。

手取りが300万円台の場合、毎月大きな金額を投資するのは難しいはずです。でも毎月「2万円」の投資だったら続けられるのではないでしょうか?

私が銀行員としてお金の相談に乗っていた時も「2万円だったら続けられる」という人は多かったです。

以下の条件で、投資をすれば資産1億円になります。

・毎月の積立投資額2万円
・積立投資の期間が40年
・平均利回り10%

投資に回すお金の総額960万円に対して40年後の資産額はなんと111,006,963円になります。

「年収400万円」で資産1億円は築けるのか? 毎月「2万円」長期投資を成功させる4つのポイント
画像は、「三菱UFJアセットマネジメント」つみたて(積立)投資シミュレーションより
でも「毎年平均10%も増えるの?」って疑問に感じる方も多いですよね?

現在の銀行預金の金利なんて0.2%とかなので、10%はすごい数字に見えますが、S&P500を中心に投資をすれば十分に可能といえます。

なぜなら、S&P500の40年間の年間平均利回りは約10%だからです。


とはいえ、長期間投資を続けるのは意外と難しいものです。ここからは、長期投資を成功させるためのポイントについて解説をします。

長期投資のポイント①自動的に投資に回す仕組みを作る

長期投資できない理由としては、投資を始めた当初はモチベーションが高く、投資にお金を回せるのですが、時が経つにつれてだんだんモチベーションが落ちてしまうことです。

つまり、モチベーションに頼ると、長期投資はうまくいきません。

長期投資を成功させるためには、「自動的に投資にお金を回す仕組み」を作る必要があります。
ほとんどの証券会社では、積立投資を自動で行う仕組みがあります。

投資を始めるときに「毎月◯日に◯万円」を投資に回すと設定するだけで、後は銀行預金から毎月自動的に投資をしてくれます。

また、最近は多くの証券会社でクレジットカードを使った積立投資もできますので、ポイントを貯めながら積立投資をすることができます。

私も実際にクレジットカードを使って積立投資をしていますが、ポイント還元率が非常に高いので、想像以上にポイントが貯まりやすいです。

長期投資のポイント②暴落は起きるものだとあらかじめ想定しておく

長期投資がうまくいかない大きな理由に「株価の暴落」があります。

確かに過去何度も20%以上下落する大きな暴落がありました。

1929年:世界大恐慌
1972年:オイル ショック
1987年:ブラックマンデー
2000年:ITバブル崩壊、同時多発テロ事件
2007年:リーマン ショック
2020年:コロナショック

暴落で損失が大きくなると、人は冷静な判断ができなくなっていきます。

銀行員時代、暴落が起きると、顧客から怒鳴られることも少なくありませんでした。

また、暴落が起きると頭が熱くなって、普段は絶対にやらないような無理なナンピン(※)など、信じられない行動をしがちです。


(※ナンピン…株価が下がっているときに追加で投資をすること。平均購入単価が下がるメリットはあるが、さらに株価が下落すると、大きな損失につながる)

S&P500は過去に何度も暴落がありましたが、必ず数年以内に株価は回復しています。

あのリーマンショックでさえ、約4年で回復をしています。

暴落が起きるのは怖いですが、積立投資であれば、その間、安い株価で購入できるので結果的に暴落が起きたほうが早く資産を増やしやすいです。

「S&P500なら暴落が起きても回復する」と信じて、淡々と積立投資を続けていきましょう。

長期投資のポイント③NISAやiDeCoなどお得な仕組みを活用する

投資にはNISAやiDeCoなどお得な制度があります。

NISAはこれだけ騒がれていますが実は4人に1人しか使っていません。

NISAのつみたて投資枠は年間120万円まで非課税で投資ができますし、iDeCoも雇用形態により毎月2万円から6.8万円まで回せます。

利益に対してかかる約20%の税金がかからないのは非常にお得なので、ぜひ利用するようにしてください。

長期投資のポイント④収入が上がっても生活レベルを上げずに投資金額を増やす

投資にたくさんのお金を回すためには収入を増やすことが大切です。

収入を増やす方法は転職や昇給、資格の取得などいろいろありますが、収入が増えてもその分、支出が増えてしまっては投資に回すお金は増えません。

投資で成功するためには「収入が増えても支出を増やさないようにする」ことが大切です。

なぜなら、投資できる金額が大きい方が利益も大きくなるからです。

例えば、毎月2万円ではなく倍の4万円をS&P500に投資をすれば、先程の40年ではなく、約32年で1億円の資産が築けます。


過剰な節約をするよりも「支出を増やさない」ことのほうが継続しやすいですし、効果も高いのでぜひ覚えておいてください。

S&P500の長期投資なら年収400万円から資産1億円を目指せる

S&P500の長期積立投資を利用すれば毎月2万円の投資でも資産1億円を目指せます。無理なく将来のために資金を築けるS&P500の利用をしてみてはいかがでしょうか?

長期投資は意外と難しいので、ぜひ今回紹介したポイントを抑えてください。

<文/渡辺智>

―[年収400万円で1億円を稼ぐ!]―

【渡辺智】
某メガバンクに11年勤務。リテール営業やプライベートバンカー業務を経験。その後、外資系保険会社で営業。現在は金融ライターとして独立。FP1級保有。難しい「お金の話」をわかりやすく説明することをモットーにしています。公式SNS(X)は、@watanabesatosi7
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