2021年9月にAKB48を卒業し、翌2022年からはYouTuberとして活動している鈴木優香。最近は高速バスやフェリーなどを使った旅行に関する動画が人気で、チャンネル登録者数は50万人に迫る勢いで順調に増え続けている。

 インタビュー前編ではYouTubeを始めたきっかけや、AKB48時代のしくじりから学んだファンとの向き合い方に語ってもらったが、後編では現在の旅系動画をメインに更新するようになった経緯や、最後に“ぼっちYouTuber”としてのソロ活事情についても話してもらった。

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視聴者さんが求めている企画をやろう

――鈴木さんのYouTubeチャンネルは赤裸々な質問に答える企画などから始まり、車中泊、父親から譲ってもらった軽バンで日本一周企画、そして最近は高速バス・フェリー・ホテルなどのリポート動画が人気を博しています。さまざまな内容にチャレンジしていますよね。

鈴木優香:そうですね。初期の頃は私の好きなジャンルのメイク系やファッション系動画もやってみたんですけど、視聴回数にばらつきがあることがわかったんです。

例えば“水着を着てみた”という動画を出したら30万回再生を記録するのに、ファッション企画だと3万回再生で。その時に「“まずは自分が求めているものよりも視聴者さんが求めている企画をやろう」”と決めたんです。元々SNSの“いいね”数は気にするタイプで。動画を出しながら反響を分析して、今の形に落ち着きました。結構“求められている自分でいたい”と思う性格なんです。

――旅系動画の反響が大きかったということですね。

鈴木優香:そうですね。元々、今の方向性になったきっかけは、東京から大阪に向かう個室夜行バス「ドリームスリーパー」に乗った動画なんですけど、そこで初めてアフレコとかを入れるなど、編集を工夫してみたんです。
そうしたら反響が大きくて、視聴回数も今までで一番伸びて。ファンの方にも「こういうのをもっと見たい」って言ってもらえたのがうれしかったです。

AIはかわいくて面白い失敗をよくしてくれる

“ぼっちYouTuber”へ転身 元AKB48鈴木優香が語るソロ活事情「多分、周りからは“変な人”と思われてる」
鈴木優香さん
――訪れた施設・乗り物のWi-Fi速度も伝えてくれたり、鈴木さんの動画は細やかなリポートが参考になります。「あ、そう」を「麻生」と書いたり、字幕のワードセンスも視聴者をクスッとさせるポイントかと。

鈴木優香:「麻生」は偶然から生まれたものなんです。というのも、YouTubeを始めた当初、文字起こしアプリを使っていたんですけど、おかしな感じで変換されちゃうことが多くて。でも私はそれが面白かったから、そのまま使ったんですね。それを見てくれた視聴者さんも「面白い」って言ってくれたんで、今でも「あ、そう」は「麻生」と入れるようにしています(笑)。

――AIの失敗もそのまま使ってやろうと(笑)。

鈴木優香:AIはかわいくて面白い失敗をよくしてくれるんです(笑)。

数字が結果として表れるとやる気が出る

“ぼっちYouTuber”へ転身 元AKB48鈴木優香が語るソロ活事情「多分、周りからは“変な人”と思われてる」
鈴木優香
――今年3月には7ヶ月ぶりのファンイベントを開催しましたね。

鈴木優香:イベントを開催するたびに、YouTubeをきっかけに新規で参加してくださる方が増えていることを実感します。会場の半分くらいは新規のファンで、お手紙もいただくんですけど、「優香ちゃんのこの動画から知りました」とか「動画のこういうところが好きです」など、YouTubeのことを書いてくれる方が多くて。今はファンの8~9割が、YouTubeから好きになってくれた人だと思います。


――YouTubeから着実にファンを拡大させていますね。

鈴木優香:私も始めた時は、こんなに反響がもらえるなんて思っていませんでした。みんなが応援してくれていたから続けることができたと思っています。最初の頃に出した動画も、AKB48時代のファンの方が見てくれて、私が思っていたよりも再生数が伸びてくれたのはモチベーションになりました。やっぱり数字が結果として表れるとやる気が出るし、いつの時代も私を応援してくれる人がいるから、今もこうして活動を続けられているんだと思います。

旅番組に出てみたい

――ソロYouTuberのいけちゃんさん、あま猫さんとコラボを経験していますが、今後新たにコラボしてみたい相手はいるのでしょうか?

鈴木優香:私、人見知りで人と話すのが得意じゃなくて、いけちゃんとコラボした動画にも「優香ちゃんが気まずそう」ってコメントが届いたくらいなんです。でもいけちゃんとは仲良いので、気まずいってことは全然なくて(笑)。だからほかの人とコラボしたらもっと気まずいように見えちゃうと思うので、コラボするよりは“ぼっちYouTuber”のままでいいかなって思っています。

そもそもコラボしたいって感情があんまりないんです。でもいけちゃんとあま猫さんとは今後もコラボできたら良いなって思っています。2人共“ぼっち系YouTuber”で私と同じジャンルなので(笑)。

――今後、タレントとしてやってみたいことはありますか?

鈴木優香:YouTubeでやっていることを活かして、旅番組に出てみたいです。番組で行く場所も自分が過去に訪れているところだったら色々話せそうですし、YouTubeの経験を活かす形で、テレビ番組に出てみたいですね。


それと私、テレビを持っていないんですけど、自分がテレビ番組に出ることが決まったら、「“テレビを買う」”って決めているんです。テレビが欲しいので、頑張ってテレビ番組に出たいなって思っています。

今やれる目の前のことしか頭にない。目標はありません

――YouTuberとして叶えたいことはありますか?

鈴木優香:目標を決めてゴールを達成してしまうとファンの方の熱量も下がっちゃうんじゃないかほって思うんです。なので、あんまり大きい目標は決めないようにはしていて。私、あんまり将来のことは考えてなくて、今やれる目の前のことしか頭にないので、目標はありません(笑)。

――言い換えると、“今好きでいてくれるファンの方を楽しませること”が一貫した目標ってことですね。

鈴木優香:そうですね。

――「週刊SPA!」(扶桑社 / 2025年3月18日発売号)では1年半ぶりにグラビアを撮影しましたが、反響はありましたか?

鈴木優香:前回の撮影から1年半も期間が空いちゃったので、グラビアから好きになってくれた人からは「グラビアいつやるの?」とちょくちょくコメントをいただいていたんですけど、今回久しぶりにグラビアをやったらYouTubeで好きになってくださった方々も見てくださったみたいで。反響も大きかったので、これを機にまたグラビアもたくさんできたらいいなって思っています。

周りからは“変な人”と思われてる

“ぼっちYouTuber”へ転身 元AKB48鈴木優香が語るソロ活事情「多分、周りからは“変な人”と思われてる」
鈴木優香
――最後、“ぼっちYouTuber”の鈴木さんに素朴な疑問なんですけど、ひとり行動することに抵抗はまったくない?

鈴木優香:まったくないです。YouTubeを始める前からひとりで海外旅行にも行っていましたし、他人といると気を使ってしまう性格なんです。
自分に食べたいものがあっても、一緒にいる人が“別のものを食べたい”となると、結構合わせてしまうタイプで。ひとりの方が気楽だし、今はYouTubeもあるからファンの方と旅行している気分にもなれるし、ぼっちYouTuberは自分に向いていると思います。

――ちなみにひとり〇〇は、どんなことまでできます?

鈴木優香:私、どこまでも出来ると思います(笑)。焼肉もカラオケもこの前ひとりで行ったし、ユニバも行きました。出来ないことは多分ないと思います。

――遊園地はスゴいですね。人の目は気にならないですか?

鈴木優香:気にならないですね。私もキョロキョロしちゃうタイプなんですけど、ひとりでいる人がいたら「あの人も私と同じ人種か」と思うだけなので(笑)。特に気にならないです。

――思い出に残っているひとり〇〇は?

鈴木優香:ひとりラウンドワンです(笑)。ボウリングもしたし、モニターみたいなのに自分が映った時は、面白かったので、踊ったりもしました。多分、周りからは“変な人”と思われているんでしょうけど、気にせず楽しんじゃいます(笑)。


<取材・文/中山洋平 撮影/星亘>

【中山洋平】
1983年生まれ。群馬県前橋市出身、埼玉県川越市育ち。主にエンタメ分野のニュース・インタビュー記事を執筆。サウナ、ビジネスホテル、ファッション、Mリーグ、ボウリング、The Beatles、サザンオールスターズ、坂道シリーズ、お酒を好む。X:@yhinakayama
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