ぎっくり腰でやってはいけない“4つの行動”とは?
容赦ない痛みに突如襲われ、動けない。中年の痛みの定番といえば、ぎっくり腰だ。「一歩も歩けなかった患者が、施術後にはスキップできるほど回復する」という口コミで絶大な信頼を集めるゴッドハンドがいる。門前仲町関節整体で院長を務める福井充氏だ。「年間1000人以上の患者さんがぎっくり腰(急性腰痛)で来院されます。ぎっくり腰は、大きく分けて3種。捻挫、椎間板ヘルニア、一時的な椎間板の変形となりますが、ほとんどの方が捻挫です。要は、突き指や足をくじいた状態と同じ。関節を構成する靭帯が、過度に伸ばされたり曲がったりすることで損傷し、“魔女の一撃”ともいわれる激痛を招きます」
歪んだ骨盤を正常な位置に戻し、痛みを激減させる福井院長独自メソッドの効果は万が一の際の助けになるが、応急処置としてできることもある。
「絶対NGなのが、酒・風呂・セックス・うつ伏せ寝。炎症を起こしているので、温めたりマッサージしたりは逆効果です。また湿布はほとんど効果がない。
ゴッドハンドの言いつけ、守るべし。
新たな治療法で慢性疼痛を乗り越えろ!

「私たちは’10年から慢性疼痛を解決するための事業を展開し、過度に薬に依存せず、運動や体づくりによって痛みを抱えたままでも質の高い生活を目指してもらう医療体制の充実に取り組んできました。ただ、痛みは多くの診療科にまたがる課題なので、今の縦割りの医療の構造がなかなか広がらない要因のひとつになっています。診療科に横串を通し、包括的な痛みの診療システムを確立することが目下の課題です。またVRを用いた生体反応同時測定システムなど、新しい技術を取り入れた治療の研究も積極的に進めています」
こうした痛みの研究が進むことで存在感を増しているのが、頭痛から腰痛まで、臓器や部位によらず痛みの治療を専門に行うペインクリニックだ。薬だけに頼らない国内初の「痛みのワンストップ治療」に取り組む富永喜代氏も新たな痛み治療システムの確立、啓発に邁進している。
「日本では麻酔科医のことを『麻酔を打つだけの人』と認識している人が多いのですが、実はすべての臓器、生まれたての赤ちゃんからお年寄りまでを横断して診療、治療しているのが麻酔科医です。そうした知見を痛みに特化させたのが、ペインクリニック。
富永ペインクリニックには、なんと鍼灸院やスポーツジムまで併設されている。
「高度なブロック治療を駆使する西洋医学。鍼灸や漢方薬で痛みを軽減する東洋医学。運動療法としてのストレッチ、リハビリ、ヨガ、ピラティス、VRフィットネス。これらを組み合わせた日本初の『痛みのワンストップ治療』施設として、経産省の事業に採択されています」

【整体師・福井 充氏】
明治大学卒。証券マンを経て、’01年に門前仲町関節整体を開業。超特殊骨格矯正という独自に編み出した治療でストレス過多の政財界トップたちからも厚い信頼を得る。柔道2段
【愛知医科大学教授・牛田享宏氏】
高知医科大学卒、同大整形外科入局。テキサス大学およびノースウエスタン大学客員研究員などを経て現職。新著に『「痛み」とは何か』(ハヤカワ新書)

日本麻酔科学会認定麻酔科指導医。

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