Netflixの大人気恋愛リアリティーショー『あいの里』シーズン1に出演したゆきえもんさん(48歳)は、画面越しにも伝わる“生粋の陽キャ”だ。円熟味を増した35歳以上の男女が真実の愛を探す同作では、視聴者がほろりと来るエピソードが端々に挿入されるが、ゆきえもんさんにはそうしたエピソード紹介が皆無。
謎多き美魔女の人生観に迫った。
頭から流血、骨折も多々 「酒の失敗がなければ、とっくに結婚で...の画像はこちら >>

『あいの里』に出演したきっかけは…

――『あいの里』を観た人はみんな抱く感想だと思うんですけど、底抜けに明るいですよね。

ゆきえもん:よく言われます(笑)。振り返ってみると、私には離婚や大病などの過去がなく、お気楽な人生を歩んできたのかもしれません。でも一応、番組に出演するきっかけはありましたよ。簡単に言うと、44歳のときに交際していた相手が突然音信不通になってしまって。それで、「番組に出演して、有名になって見返してやろう」と思ったんです。ただ誤算だったのは、私が『あいの里』を民放でやる番組だと思っていたことです(笑)。元カレはお金がなくて、私とそう変わらない年齢で実家ぐらしを選ばざるを得ない感じだったので、たぶんNetflixは加入していないと思うんですよね。だから、あてが外れてしまいました。

毎日知り合いが増えていくような状態

――あけすけなので、見知らぬ人ともすぐに打ち解けてしまう性格だというのも頷けます。

ゆきえもん:『あいの里』でも、私は結構人との距離を詰めるのに抵抗がないタイプなので、「この性格で良かった」と思える場面が多かったですね。プライベートでも飲むのが好きなのでよく酒場に顔を出すのですが、毎日知り合いが増えていくような状態です(笑)。「学生時代を過ぎたら友だちができない」みたいなことを言う人がいますが、何歳であってもかけがえのない友だちはできると私は思っています。


――ゆきえもんさんの、いろんな人を包みこんでいく人柄はどこからくるのでしょう。

ゆきえもん:自分では、両親がルーツだろうなと思っています。私の父は会社員、母は美容師でした。特に父が面倒見の良い人で、若い社員を家に連れてきてご飯を食べさせたりしているのが日常茶飯事だったんです。我が家には常に誰か父の後輩が来ている感じで、母もまた喜んで世話をしていました。会社の後輩のほとんどの仲人を頼まれるくらい慕われている2人をみて、自然と「いいな」とは思いましたよね。小学校のときも、学年に友達じゃない子はいないくらい、いろんな子と自然に仲良くなって。席替えのときも「ゆきちゃんの隣がいい!」とか言われて争奪戦になって。本当に友達には恵まれました。

人見知りをしたことがない

――温かみのあるご両親の生き方を受け継いでいるんですね。一方で、人に対する気配りがしんどくなることはないですか。

ゆきえもん:基本的に人が好きで、人見知りをしたことがないんですよね。しんどくなったことは1回だけ、中学生で経験しました。
不思議と昔から、人の些細な違和感に気づいてしまうんですよね。「今、この子たぶん悩み事あるな」「きっと少し不愉快な思いをしているな」というのがわかっちゃうんです。だから自分から声をかけて引き込むようにしているんですが、中学のときは、いろんな人の悩みを引き受けすぎて、自分のために時間を使えなくなってしまったことがありました。でもやっぱり、私は根本的に人の世話焼きが好きだし、みんなに楽しくいてほしいから、声をかけ続ける自分でいたいんですよね。

酒の失敗がなければ、とっくに結婚できていた

頭から流血、骨折も多々 「酒の失敗がなければ、とっくに結婚できていた」48歳女性が「恋愛リアリティーショー」に出演したワケ
お酒がらみの失敗は数知れず…
――先ほど酒場が好きという話もあったように、お酒はかなり豪快に飲まれると伺いましたが(笑)。

ゆきえもん:酒癖が悪いのは認めます(笑)。真剣な話、酒での失敗さえなければ、私はとっくに結婚できてたんじゃないかと思うんですよ。アプローチしてくれる方も結構多かったし、素敵な人もいましたから。ただ、みんな酒癖をみてドン引いて、でもまた「離れると刺激がないから一緒に飲もう」とか近づいてきて……結局飲み友達が増えていきました(笑)。

――具体的にどんな感じになるんですか。

ゆきえもん:酒量が限界を超えると、記憶をなくしてしまうんですよね。都内で飲んでて、気がついたら電車の中にいて、栃木県だったこともありました。怪我はよくしますね。
頭から血を流して起きたり、腕の骨折、眼底骨折など……かすり傷で済んだらラッキーくらいに思っています。頭から流血したときはなんとなく病院にも行きたくなくて、完全に血が止まるまで4日間を要しました。

――結構な酒量だと思うので、健康診断の値が気になるところです。

ゆきえもん:私もそう思うんですが、これが肝機能なども一切問題がないんですよね。今、ちょうどプー太郎なので、大好きなワインばかり飲んでいますね。ボトル6本空けるのを2~3日くらい続けたりもしました。ダメ人間ですね、本当に(笑)。

恋愛はしたいが…

――現在は“ダメ人間生活”を謳歌するゆきえもんさんですが、昔は仕事の鬼だったと伺っています。

ゆきえもん:確かに、若いときは恋愛そっちのけで仕事をしていました。イベントプロモーターとしての仕事が面白くて、表舞台に立つこともあれば、裏方に回ることもありました。休日も地方出張が多くて、6年付き合っている彼氏の誕生日も一緒に祝えなくて、それがきっかけで彼氏が拗ねたのが面倒くさくなってお別れしてしまいました……。そのあとはハワイアンの飲食店を出すのが夢で、いくつかの店で修行をしました。常連客ともすぐに仲良くなれて、活気のある職場が大好きでしたね。


――話を伺っていると、恋愛がなくても人生が成立しているように思えるんですが。

ゆきえもん:いや、恋愛はしたいですよ。自分からがんがん行くタイプに見られることが多いんですが、実は私、押しに弱いんです。積極的に来る人に惹かれる傾向があって。

――『あいの里』でもその片鱗は見えて、意外でした。なぜでしょう。

ゆきえもん:父のことを見ていたからかもしれません。父は母のことが大好きだったんですが、母は別に父がタイプではなかったみたいで(笑)。母は学びたかったけれど経済的な事情で大学へ行けなかったので、結婚するときに「子どもが生まれたらきちんと大学に行かせてあげてほしい」と約束させたらしいんです。父はもちろん約束を履行しましたし、結婚の挨拶のために母の両親のもとに挨拶に来たときも、青森県に住む酒好きの祖父に朝まで付き合った挙げ句、「この一升瓶を飲み干したら嫁にやる」と言われて全部飲んだとか。有言実行の真っ直ぐな男性に惹かれるのだと思います。

ノープランでも人生は充実している

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『あいの里』出演メンバーとの交流はいまだに続いている
――今後の人生の展望があれば、教えてください。


ゆきえもん:昔から、あまり貯金をしないんですよね。でも周りに恵まれているから、なんだかんだめぐり合わせで生きてこられたんです。何か策を練ったりするタイプではなく、ノープランで気ままに楽しそうな方向へ行く人間なのですが、ありがたいことに、さまざまな出会いがあってこの年齢まで人生が充実しています。私ができることは周囲の人を楽しませることだと思っているので、職業に縛られずに、いろんな人と人生を共有しながら歩んでいきたいなと思っています。

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 正直に告白すれば、人間ドラマが魅力の番組『あいの里』で、一切の悲壮感を漂わせないハッピーオーラ全開のゆきえもんさんがキャスティングされた理由がずっと謎だった。だがインタビューを終えて思う。過去のつらい体験と深い思考がその人の味わいとなるのは間違いないが、一方で、どんな環境や人間にも瞬時に順応していく彼女の魅力もまた、唯一無二だろう。

 ゆきえもんさんは、気を使っていないふりができる気配りの上級者。どんな人といても、どんな瞬間でも楽しい色に染められる。常に他者を気にかけて寄り添う両親の姿を記憶する彼女の本籍は、まさに“あいの里”。現在地を「プー太郎です」と暖かく自嘲する彼女には、肩書さえ要らない。周囲を助け、周囲に助けられ、笑い合う青春の只中をひたすら生きる最強の女性だから。


<取材・文/黒島暁生>

頭から流血、骨折も多々 「酒の失敗がなければ、とっくに結婚できていた」48歳女性が「恋愛リアリティーショー」に出演したワケ
ゆきえもん


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【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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